2年続けて著書が出版され、NHKのテレビ番組「すてきにハンドメイド」にもご出演。現在も新しい本を制作中の刺しゅう作家・マカベ アリスさん。やさしく洗練された雰囲気、生命力にあふれた植物モチーフの刺しゅうは、年代を問わず人気でファンが急増中です。そんな状況にも「あまり実感がないんです。毎日このアトリエにこもってひたすら刺しゅうをしているので」と、静かに微笑むたたずまいが印象的なマカベさんに、刺しゅうと手仕事の魅力についておうかがいしました。3回シリーズでお届けします。
結婚後は専業主婦だったマカベさん。幼いころから手芸は好きでしたが、本格的にはまったのは長女が生まれてからだそう。子ども服を作ってみて、自分が洋裁好きであることに気づいたそうです。とはいえ、小さな子どもがいる母親の洋裁タイムは、家族が眠るわずかな時間のみ。毎日分刻みで時間を捻出し、“マグマのように” 湧き上がる創作の衝動を手芸で消化していたとか。そのうち家族やまわりの人に喜んでもらうだけではもの足りず、文化服装学院のオープンカレッジに通うことに。ちょうど3人目のお子さ …