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「服を黒く染めてつかいきるって、どういうこと?」[後編]

2021.12.24

「服を黒く染めてつかいきるって、どういうこと?」[後編]

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株式会社京都紋付 荒川 徹さん

大正4年創業、株式会社京都紋付の四代目。100年を超える紋付を黒く染める伝統技術を守りながら、国内外のさまざまなアパレルブランドの黒染め加工を受注。その技術を活用して、一般のお客さま向けに服の染め替え事業をスタートさせた。

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えいこ

フェリシモ新人社員。ファッションカタログ編集部に配属され、ファッションを楽しむ先にある「服をつかいきる」が気になりはじめたところ。

愛着のある服が黒く染まって新品同様に。

えいこ えいこ

工房で染め替えの工程を見学させてもらって、真っ黒に染まった服たちがずらりと並んで圧巻でした!

荒川さん 荒川さん

ジャケットとかGパンとか、Tシャツとか、いろいろあるでしょ。バッグとかキャップとか面白いですよね。汗染みや日焼けなども黒に染まってきれいになります。

えいこ えいこ

このパンツは、ステッチの白が残って網目のような模様になっていますね。

荒川さん 荒川さん

元々白いパンツに使われていた白の縫製糸が染まらずに残っているんだと思います。お客さまも届いたらびっくりしはるやろね(笑)。赤いコートは下地が赤なので赤みがかった黒に染まりますし、このワンピースは綿の部分が黒、化繊の部分がグレーの2トーンになっている。頼んだ方はこんなふうになるなんて想像もしなかったと思いますよ。そんな驚きも楽しみの一つとして、オーダーしてくださるお客さまが多いです。

えいこ えいこ

染め替えをされたお客さまから、どんなお声が届いていますか?

荒川さん 荒川さん

ある方は形見のコートを送ってくださって「コートとともに思い出もよみがえりました」と喜んでおられました。底部分に汚れや黄ばみが目立つトートバッグを染めた方からは「汚れが見えなくなり、白く染め残ったステッチも気に入りました」という声をいただきました。
みなさま、ほとんどがリピーターです。毎日、日本全国からいろいろな服が届きます。染め替えをしてでも長く着たいと思っている服ですから、お客さまの愛着が伝わりますよね。

えいこ えいこ

海外から送ってくださるお客さまもいらっしゃるのでしょうか。

荒川さん 荒川さん

ネット版ニューヨークタイムズで紹介されたことから、ニューヨークから送ってくださる方がいます。とても気に入ってくださって、毎回4、5点送ってくださいます。外国には「染め替え」という概念がないから面白いと思ってくださるようです。

「服を染めて大切に着る」を世界の常識にしたい

えいこ えいこ

この秋から、フェリシモとのコラボレーションも始まりましたね!

荒川さん 荒川さん

はい、すでに何点かお申し込みいただいています。どんなアイテムが届くか楽しみです。これからは、ますますSDGsやサスティナブルの視点が必要になります。今の若い人たちには、古いものを大切に着た方がかっこいいという発想もあります。服を染め替えて大切に着る、ということは時代の流れに合っているなと思います。

えいこ えいこ

最後に、荒川さんの夢を教えていただけますか?

荒川さん 荒川さん

服をクリーニング店に持っていって「洗う」か「染める」を選択する。そんな世の中になるといいなと思います。それくらい「染め替え」を世の中に浸透させたいですね。

えいこ えいこ

染め替えによって、タンスで眠っていた服の出番も増えそうですね

荒川さん 荒川さん

着なくなった服を染めてもう一度着るというのは、世界的に見ても珍しい取り組みですし、黒染めは日本の伝統産業でもあるので、伝統を守るためにも染め替えを世界の文化、常識にしたい。世の中の当たり前にしたいですね。

前編はこちら 

えいこの気づきMEMO 染め替えが選択肢のひとつに。 工房で染め上がった服たちは、どれも愛着を持って使われているものばかり。服にとって生まれ変わる方法があるなら、染め替えも選択肢のひとつとして考えていきたいなと思いました。

やってみよう

染め替えに挑戦してみよう。

kuronicle(クロニクル)
好きだったけど、もう着られない服、黒に染めなおしてみませんか。フェリシモ×京都紋付の染め替えサービス、はじまっています。

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みんなの感想みんなの感想

  • 1. せいちゃんさん 2022年01月26日 13:09

    若い頃、着物の仕立て屋だったので、染め抜き紋は馴染みのあるものでした。今回の記事を拝見し、日本の伝統を守りつつ時代に合わせて新しく変化している染物屋さんは素晴らしいと感激しました。私も時代と共に新しく変化したいです。

  • 2. ふうこさん 2022年01月26日 19:55

    目からうろこの記事でした。
    捨ててしまったお気に入り、こうやって活かしてあげればよかったなと思ったし、これからは捨てる前の選択肢の一つにできそうです。

  • 3. マムちゃんさん 2022年01月27日 09:39

    以前購入した、お気に入りのアンドマイラの黒のチュニック。少し色褪せてきたので、何とかもう一度黒く染められないか思案していたところ。早速、検討したいです!

  • 4. つむぎさん 2022年02月07日 19:51

    ちょうどお茶をこぼして茶色いシミになってしまった白いトートバッグがあり、黒く染めるという手があったかととても興味持ちました。
    ただ、料金を見てすぐに諦めました。

    とても気に入っていたそのカバンは3千円しないものです。そのカバン自体に特に思い出もないので、正直言って新しいものを買ってしまうと思います。

    今はファストファッションが主流で、染め直してまで大事に使う方は一定年齢以上の人であったり、ものの価値を値段では評価せず、自分にとっての価値を大事にされる方かと思います。

    私は子供を3人育てている、職業はパート事務職員です。なかなか手の出せる金額ではありませんが、こういったサービスがあるとわかっていれば、いつか利用する日があるかもしれません。

    染め直してまで大事にしたいと思えるものに出会うのを楽しみに待ちたいと思います。

  • 5. はなはなさん 2022年03月20日 11:04

    今までもシミをつけてしまったTシャツやトレーナーを自分で染め直していましたが、プロの技はすごい!これはいつか利用する日が来るかもしれません。世界に誇れる日本の技術をもっともっと盛り上げていきたいですね。

  • 6. コンニャクぜりーさん 2022年04月18日 11:44

    白いレースのブラウス
    「汚しそうだな」と思ったが 好きで購入 案の定再びシーズンが巡って来た時には 「むむっ!黄ばんでるッ!」ってなってそれからはタンスの奥に⋅⋅⋅
    「染めたら何とかなるんじゃ?」と思いつつもう何年──染めて頂けるなら!!
    箪笥の肥やし復活✨🙆✨

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