2022.2.16
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袋谷タオル5代目 袋谷謙治さん
美しいジャカード織が評判の創業95年の老舗タオルメーカーの5代目。先代たちが手掛けてきた本業のタオル製造を継承しつつ、地元の人々と一緒に、新しいタオルづくりにチャレンジしている。
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泉州特産水なす漬け本舗 マコト商店 2代目店主 袋谷常文・亜美夫妻
みずみずしくフルーツのような味わいの水なす漬けが人気。4~9月の水なすシーズンを、全国のファンが楽しみにしている。袋谷 常文さんと袋谷 謙治さんはいとこ同士。
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Fu(ふー)
日々の暮らしを楽しむとっておきを紹介する「フーズノート」の店主。アップサイクルの奥深い世界に惹かれ、長年にわたりアップサイクルを探求し続けている。
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もちこ
フェリシモの新人社員、現在アップサイクルの勉強中。奇遇なことに、Fuともちこは、同じ大学の先輩&後輩。
泉州タオルといえば、日本でも有数のタオルの生産地。袋谷タオルの5代目、袋谷 謙治(ふくろや じょうじ)さんが立ち上げた自社のファクトリーブランド「雫(しずく)シリーズ」は、さまざまな理由で販売できない泉州野菜から色を抽出し、それを染料にしてタオルを染めています。まさに地場産業の農業と泉州タオルのコラボレーション!
まずは袋谷さんと一緒に、コラボレーション第一号「水なすタオル」が生まれるきっかけとなった、いとこの常文さんのお店「泉州特産水なす漬け本舗・マコト商店」を訪ねました。
私がひとめぼれした水なすタオルは、「雫シリーズ」の第一号だったんですね。
地元をアピールできる、何か特徴のあるタオルを作ろうと思ったとき、まず思いついたのが水なすでした。以前から、水なすには、食べる以外にも、もっと別のポテンシャルがあるんじゃないかと思っていたんです。そんな中、「皮の紫色と実の黄緑色の、2色のタオルがあるとおもしろいかも?」と思いつき、いとこ(「マコト商店」の店主)にさっそく相談を持ち掛けました。その時点で、どうすればそんなタオルを作れるのか、明確に見えていたわけではないのですが(笑)
大阪府泉佐野市 にある「泉州特産水なす漬け本舗・マコト商店」 は、昔ながらの泉佐野の風景が残る町並みの中にあります。漆喰(しっくい)で塗られた壁が目印。取材当日、常文さんと亜美さんが、笑顔で迎えてくれました。
本当に残念ながら、今年の水なす商品の販売は、数日前に終了してしまっていました。お目当ての水なすのぬか漬けや浅漬けをいただくことはかないませんでしたが、その代わり、お店で水なすを漬けるのに使われている「浅漬けの素」や、水なすの古漬けと海老じゃこを醤油やみりん、生姜で炊いた大阪泉州の元祖郷土料理「じゃここうご」、さらに、小さな手づくりの器やはし置ききなど、水なすのある食卓を彩るさまざまな品が置かれていました。
ふと壁に目をやると、黒板に書かれた文字が。「マコト商店の無添加おそうざい」と書かれています。読んでみると、秋から初春まで(まさに今!)、つまり水なすの時期以外にも旬を楽しんでいただけるように、元飲食店勤務をされていた常文さん(元イタリアレストランのシェフだったんですって)の経験を生かして、季節のお惣菜を販売しているとのこと。
きっとからだに染み渡るような、やさしい味のお惣菜なんだろうな~と勝手に想像。(この日は準備中でいただくことはできませんでした。う~ん、残念)
袋谷さんから「水なすで染めたタオルを作りたい!」と聞いたとき、どう思われましたか?
野菜ですからあたりまえなのですが、形が悪かったりして、漬物に加工できない水なすがどうしても出てきます。ただ、ぼくとしては、農家さんが丹精込めて作ったものを捨ててしまうことにずっと抵抗がありました。だから、「廃棄される水なすを、タオルの染料にとして使ってみたい」という話を聞いたときは目から鱗でした。
このタオルって、水で濡らして絞るとさらに色あざやかになって、まさにみずみずしい生の水なすのようですよね!
謙治さんからタオルの試作品を見せてもらったとき、素敵な色に驚きました。お店でも販売しているのですが、「これ、水なすの色なんですよ」とお客さまに説明すると、みなさん思わずタオルに顔を近づけてにおいをかがれます(笑)。
実はこの水なすのタオル、ぼくたちの結婚式の引き出物としてゲストの方々にお渡ししたんです。泉州のよさも伝わりますし、みなさんからも、とても好評でした。
水なす漬けのお店のご夫婦が、水なすのタオルを贈るなんておしゃれですね!
この水なすのタオルをきっかけに、常文さんご自身の中で変化したことはありますか?
うちは父の代から水なす漬け専門店としてやってきているんですが、果敢に新しいことにチャレンジしているいとこ(譲治さん)や友人、そのほか地元でがんばっている人たちの姿を見て、ぼくも家業や伝統にだけ頼りすぎていたらあかんな、と思ったんです。新しいことをやっているみんなが、とても楽しそうでしたし。そういう影響もあり、どんどん視野が広がって、たとえば、それまでやっていなかったインターネットでの商品販売や情報発信にもチャレンジするようになりました。地元泉州で生まれた水なすもタオルも、ぼくたちの誇りです。その価値をもっと高めて、たくさんの人に知ってもらいたいですし、そのための活動を、仲間と一緒にもっと広めていきたいと考えています。
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今よりちょっとだけ上手な「つかう」を覚えたら、 今よりちょっとだけ「つかいきれなかった」が減ったら、 それは前よりちょっといい世界かもしれません。
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みんなの感想
1. タンチさん 2022年12月01日 09:07
私は泉州の水なすの漬け物が大好きです😊本当にみずみずしく、口の中に水なすの漬け物を入れ、噛むとジワッと水なすの漬け物の美味しい、優しい味が広がって思わず「美味しい!」と言ってしまう位美味しくて、見かけると思わず購入したり、その店舗で食べたりしてます!その水なすに規格外の茄子があるなんて驚きました‼️でも、捨てる事なくその茄子をタオルの染色に使用したなんて凄いです😊綺麗な色合いでいいと思いました!しかし、こんな風に考えてしまう私ってと思いながら書いてしまいます!食べたい❗️と思っても食べ物が無い人が世界中にいる事、勿論日本にも❗️だから、規格外の野菜が捨てられてしまうのは如何な事だろう⁉️と!食べられるのに…何故❓と!私だけでしょうか❓こういう風に思うのは❓