-タケナカのこれ思てんねん。-
第6回『ショート動画について思てんねん』

こんにちは。

ことば部部員のタケナカと申します。

今年で二十代も折り返し地点にきました。昔から読書が好きで、基本的にどんな本も読みますがテーマが重ための本が好きです。細かいことが気になり、つい言い過ぎて母から小姑と呼ばれた事があります。

こんな私が普段うっすら思っているあれやこれを徒然に書くエッセイ「タケナカのこれ思てんねん。」毒にも薬にもならないけど「なるほどなぁ」となるかもしれない、超プラシーボなエッセイです。


募集している、みなさんの「思てんねん」なこと、今回もたくさんの投稿をありがとうございます。その中で気になったコメントをご紹介。

カシューナッツさん
「映画観るのがちょっと億劫になり、ドラマも30分ドラマが見やすいなと思うようになり、最近ついにショートドラマにハマっている。あんなに映画好きだったのになんで?」

第6回は理解について僕の思うことを。
今回もひとつ、お手柔らかにどうぞ。


言うは易し、行うは難し

あなたは眼の前の快楽に溺れたドーパミン中毒である、スマホを断つべし!
一言で済ますのはカンタンだが似たような問題は往々にして聞く。これを読んでくれている読者の中でウンウンと頷いている人も少なくないはず。偉そうに色々書いている私だって完全に中毒だ。ドーパミンの快楽沼にズブズブ沈んで今や肩あたり。頭までドップリ浸かるのも時間の問題、助けてくれ!

ショート動画とパチンコやスロットで感じる気持ちよさは似ているらしい。「次はきっと面白い動画が来るに違いない!=当たるかもしれない!」という期待感や、短いサイクルで脳が刺激を得られるなどの要素が一致しており、このような報酬系快楽から距離をおくのは中々難しいそうだ。
私はお風呂が非常に苦手なのだが(毎日入っている!)、「この時間になったらお風呂行こう!」や「次〇〇な動画を見たら絶対行く」と心に誓って気づけば1時間……。このときの時間の加速度は異常。相対性理論もびっくりのウラシマ効果である。

短スパンで得られる安くて薄い報酬に飛びつき、時間と言う名の黄金をボリボリと貪っていく奴隷で化け物達よ。時は金なり、悲しき哉。
映画からドラマ、ドラマからショートドラマといった長尺から短くて満足できるものに移り変わったように、私たちは我慢して何かを受け取るということが苦痛になってしまった。我慢して苦労すれば報酬や名声に変わる時代は終わり、いくら我慢しても達成感も得られない、むしろ毛まで毟られる世知辛い世の中。そんな地獄で極楽から下りてきた一筋の蜘蛛の糸。手を伸ばしてしまうのも無理はないのかもしれない……のか?

そうだ 山、行こう。

こんな逃げ腰な休日から抜け出す方法はないのだろうか。ベッドの上でショート動画をダラダラ見ながら模索しているとふと閃いた。山である。(実は中学~高校の6年間、登山部に所属していた。)
一口に山と言ってもハイキングなどではないし、「デジタルデトックス」や「アーシング」など横文字はもってのほか。事前に準備をして、荷物を背負い、息が上がり汗が滴る程の山である。
辛く苦しく「なんでこんなことやってるんやろう……」と後悔に襲われながらも、一歩ずつ進む中で整理される思考、景色や音や肌に触れる空気の流れ、他の登山者との挨拶、やっとの思いで登ってその先に頂上が見えたときの興奮と感動……。
我々は画面を見つめるだけでは感じ得ない生の体験を忘れ、そして遠ざけてしまっている。社会人といった肩書きに胡座をかくのではなく生きる者として歩みださなければ、人の形をしたチリとなりいずれ崩れ去ってしまう。ワンルームで一人呟く。「そうだ 山、行こう。」

思い立ったが吉日と、翌日に有名な登山用品ショップへと走り登山服や登山靴、果てには大型リュックまで必要な装備を買い揃えた。レジで7万円と出た時は流石に目と脳の奥が熱くなったが「鉄は熱いうちに打て」と頭をポカンと打って支払った。(シビれる!)

あれから4ヵ月が経ったが一度も山には登っていない。登山靴にすら脚を通していない始末。「明日は寒いし」「行くつもりだったけど疲れがあまり取れてないな」などと心の中で言い訳をして逃げてしまっている。(もちろんショート動画に釘付け)これじゃ宝の持ち腐れだし、高物買いの銭失いでしかない。
このままいけば「逃げ」と「怠惰」という名の甘く優しい悪魔に心を吸いつくされる。あとに残るのは思考すらできない人の形のチリだけだ。悪魔の手から逃れるには次の一歩に進まねばならぬ。
この散漫な日々を断ち切るためにも、私を山へ連れてって!


好きと嫌いとマイルール、自我と自意識にがんじがらめのぐるぐる人生。
そんな中で普段思っていることをポツポツと書いていきます。
あなたの普段思っているけどなかなか言えないなあ、なことも教えて下さい。

また、今回から「タケナカのあれ気になるねん。」も始めました!
私が気になっていることに、みなさんのとっておきの知恵や経験をお裾分けして教えてもらうコンテンツです。
いま気になることは『あなたのオススメの登りやすい山』について。

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