今回の和モノづくりは、もう何度も登場しているシャトルノーツの綿ウールの縮絨生地です。この生地はシャトルノーツの冬の顔とも言える生地で、毎年アメリカやヨーロッパにも輸出している、世界中で愛されている生地です。経糸には綿糸、横糸にウール糸を配して甘く織り上げてから、フェルト状になるまで縮ませています。織り上げた生地を、サーキュラー染色機を使って30%以上縮ませる工程でも匠の『業』が必要なのですが、今回の生地は無地ではなくチェック。ここにさらに柄の大きささや色をイメージ通りに仕上げる超高度な業が必要になってきます。まず色ですが、綿とウールでは染料や染め温度が違い、得意な産地も分かれているため、綿は播州で染め、ウールは尾州で染めています。まずその糸色に合わせてもらい、その糸色に合わせて綿を染めることで、色合いが揃うようにしました。また、縮絨をかけると元の色より濃く見えるので、イメージに合わせて元の色をどれくらい薄くしておくかなどにも気を使っています。柄も同じで、縮んだときにイメージ通りの大きさや形になるように、縮率を計算しながら糸の打ち込みや比率を調整しなければなりません。その難易度は柄が小さくなるほど目立つので、より注意が必要だそうです。そんな手間と苦労の末にできた生地だからこそ、日本だけでなく世界中から引き合いが来るのだと思います。綿とウールの縮率差が生み出す独特なシボ感と、圧縮加工によるぬくもりのある風合い。サーキュラー機を使い、ノーテンションで縮ませることで得られるふんわりとした軽さとしっかりとした厚み。コートやシャツ、ワンピースなどいろんなアイテムに合う生地ですが、今回はスカートに仕立てました。