デザインや素材にストーリーを感じるアイテムを紡いでいるフェリシモのブランドel:mentではこの冬、フェイクファーを使用したバッグを販売。
まるで本物の動物の毛のようなリアルな質感ですが、実はこれらはすべて織物会社がいちからつくったフェイクファーなのです。
和歌山県高野山のふもとにある株式会社 岡田織物でこだわり抜いてつくられた、限りなく本物に近い高品質のフェイクファーのものづくりの現場を取材しました。

株式会社 岡田織物
和歌山県の高野口駅近くにある繊維会社「株式会社 岡田織物」。
世界中から愛される良質なフェイクファーをオリジナルで企画開発しています。
高野口で完結する地場産業にこだわり、島精機製作所と協同開発した特殊な裁断機を使用してリアルな毛並みを再現します。
リアルファーをめぐって問われる、ファッションと動物の命の向き合い方
リアルファー(本物の動物の毛皮を使用した素材)をファッションアイテムなどに使用することは動物倫理の観点から近年問題視されています。
製品の製造のために動物がストレスにさらされ、殺処分され、生態系にも影響する可能性があるという問題があります。
各有名ブランドではリアルファーの使用をやめ、フェイクファーを使用する動きが本格化しています。
フェリシモでも環境に配慮した商品企画ガイドラインにもとづき、ファー商品についてはフェイクのみを使用しています。
岡田織物の真摯なものづくりからうまれる、ふんわりやさしいフェイクファー
フェイクファー製品で重要なのは、リアルファーに劣らないくらいの本物らしい高級感のある質感、肌ざわりです。
今回のファーバッグの製造元である岡田織物を訪れ、ものづくりの現場を取材しました。


株式会社岡田織物は和歌山県高野山のふもとにあり、天然ファーに近いリアルな肌触り、色彩の美しさが強みの織物会社です。
地域一体が活性化するよう、高野口で完結する地場産業にもこだわっています。リアルな質感の秘訣は、
①毛足を無駄にしない裁断方法
②つぎ目がわかりにくい縫製
③立体的でリアルな長さのファー
④職人技が光る染色方法
の4つです。
① 毛足を無駄にしない裁断方法
岡田織物では、同じく和歌山県で横編機など開発・製造している島精機製作所と共同開発したファー専用裁断機を使用。
通常の裁断機では毛足まで切ってしまいますが、この機械では裏面の基布と呼ばれる部分のみを裁断し、毛足のカットを最小限に抑えています。これにより、毛並みの美しさを保ちながら効率的な生産を実現。
裁断くずの発生も少なく、他の製品への付着を防いでいます。

② つぎ目がわかりにくい縫製
縫製工場では、毛足を巻き込まないように工夫した縫製方法を採用。
毛を内側に倒してステッチをかけてから縫い合わせるので2回縫うような手間のかかる工程を行っています。
その結果、ファーのつなぎ目がほとんど見えないなめらかな仕上がりになっています。

③ 立体的でリアルな長さのファー
今回のお散歩バッグに使用されるファー生地は、一般的に4種類程度の糸を使うところを8種類の異なる断面のファイバーを組み合わせて作られています。
基布部分には熱を加えてハリを出し、毛足がふわっと立ち上がる構造に。
毛足の長短を組み合わせることで空気を含み、立体的でリアルな質感を実現しています。
さらに毛抜け防止のための特殊な薬剤を使い、硬くなりすぎずやわらかな仕上がりとなっています。


④ 職人技が光る染色方法
岡田織物のファーを染めるのは、同じく高野口にある木下染工場。
毛足の長いパイル織物の染色を得意としています。
岡田織物のつくるリアルファーのような自然な風合いを再現するため、毛奥を濃く・毛先を淡く染め分ける技術が求められます。
染色は季節ごとの温度変化を職人の勘で調整。
紀の川の水を使用し排水の水質にも配慮。
地域の自然と共存しながら美しい色合いを生み出しています。


まるで本物のあたたかみと質感。el:mentフェイクファーバッグ

こうして岡田織物のこだわりのファーを使用したフェイクファーバッグ。
存在感のあるファーの質感で冬の装いを華やかにしてくれます。
気持ちがぱっと明るくなるカナリアイエロー、大人な雰囲気にコーデが決まるシックなチャコールグレー、どんなコーデにも馴染んで毎日でも手に取りたくなるグレージュ、プランナーこだわりの3色展開です。
バッグの形は岡田織物が見つけた 生地を無駄にせず、見た目もかわいい絶妙なバランスのあずま袋型。
必需品がしっかり入るサイズ感です。ほどよくハリ感のあるナイロンの内生地もついているので自立します。


大人にふさわしい良質なファーをぜひ日常に取り入れてみてください。
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