わたしの料理本遍歴

あの人の素敵暮らしを拝見 2020.06.03

こんにちは、料理創作ユニットGomaの中村亮子です。

今年は多くの人にとって、例年になく家にいる時間が長かったと思いますが……
色々とはがゆい気持ちはあるものの、
家にいるからこそできたこともあったような気もします。

片付けなどはその代表格かもしれませんが、私にとってよかったのは
いつもよりも本を読めたこと。
SNSなんかでも本のリレーなんかが流行っていたりして面白いですが、
その中でも心浮き立ったのは「#料理本リレー」。

主に料理本に関わる編集者、料理家、カメラマンやスタイリストさんなどが
お気に入りの料理本を3~4冊紹介するというもので、
いろんな方々の選んだ料理本と、それにまつわるお話を読んでいると、
料理本への想いの深さがそれぞれ伝わってきてとてもよかった。

Gomaにもバトンが回ってきたので、アラキと私それぞれに4冊ずつ紹介しました。
リレーのために、数ある料理本を見ていて、気づいたことがあります。
『料理本には歴史がある』と。

この場合の歴史は自分史、ということで。
年を取って自分の環境が変化していくにあたって、
嗜好や必要な食の情報というのが変わり、それに伴い
読む料理本にも変化が見られるのがおもしろいなあと思ったのです。
 …ということで私の料理本遍歴を4期に分けてご紹介。
 

第1期:憧れを食べてみたい

主に10代後半~20代に好きだった料理本は、
おしゃれで、かわいくて、センスが良くて、見ているだけで心がワクワク踊るような本。

雑誌「オリーブ」で知った料理研究家の堀井和子さんや福田里香さん、長尾智子さんは、
お菓子や料理はもちろんその「食の思考回路」とでもいうべき言葉や文章も好きで、
新刊が出るたびに買っていた記憶です。
パトリス・ジュリアンさんや上野万梨子さん、
お菓子研究家なら大川雅子さんの本もくまなく読んでは色々と作ってみたなぁ。

これらの本に載っている料理自体は日常の中で自分が食べている料理というより、
「自分で作れるなんてすごい!」と驚くお菓子や、
野菜の大胆な使い方や、スパイスやハーブを使った料理に発見があるもの。
全体的に感性的な刺激を受けた感じです。
 

第2期:旅をするように料理したい

もともと海外に興味が深かったこともあり、
20~30代はお金が溜まると海を越えて旅にばかり行っていました。

旅に出て何といっても楽しいのは食で、海外で食べたものや、
まだ行ってない国の料理に夢を馳せ、作ってみたいと思うようになり、
料理本も国を意識して買ったりも。

旅に行けない時期でも、いろんな国を思って料理をしたり、
食べたりすると旅気分になれるんだと発見したのは大きかった。
カリフォルニアのオーガニック料理、
パリのビストロやアジアのごはんに想いを馳せていました。
 

第3期:家族ごはんという日常

家族ができて、食と料理への気持ちが変わりました。

今思うと、1人で作って食べる日々のごはんは
もっぱら好きなスパイスやハーブを使った嗜好の料理ばかりだった。
でも、家族ができると日々の料理の意味が全然違ってくるのを実感。

自分のためだけじゃなく、人のためにごはんを作るという行為。
ちょっと使命感も出てくるのかな?
特に子どもが産まれてからは特にそう。
だから、特別じゃない普通の家族ごはんについて想いを馳せるようになりました。

実家にあった栗原はるみさんや有元葉子さんの本や考え方に深く共感、
現代の家族ごはんの提唱がとてもわかりやすくいワタナベマキさんの本も大好きです。
シンプルに、暮らしの中で無理なく、でも美味しく、
家族みんながうれしくごはんが食べられることを今改めて考えさせられています。
 

第4期:食養生という言葉

そして今、断然興味があるのは食養生系の本。
薬膳や漢方、あとは元々だいすきな野菜料理の本も見直しています。
40代になったからでしょうか。どうもからだのことが気になってきました。

ベジタリアンでも、完全なるオーガニック派でもないのですが、
自分のからだがいちばん自然なカタチでいられるようにいるには、
『食』ってやはり大きく関係しているな、と思っています。

季節のものを食べ、調子が悪い時に食で補うことを考えたりするには、
漢方とか薬膳ってとても理にかなっている気がする。
「~なければいけない」と縛るのではなくて、
いろんな先人の知恵を知って、からだに取り入れることができたらいいなぁ。
 

長くなりましたが……超個人的な料理本遍歴でした。
あえて自分たちGomaの本は出さなかったのは、
偏愛を語るのはやはり客観的に見たものかな、と思ってのこと。
今回、1冊1冊については詳しい説明はしなかったのですが、
気になった方はタイトルから調べてみて下さいね。

次回は本への偏愛第二弾!「山の本」についてお話しします。

Profile

Goma中村亮子さん

Goma中村亮子さん

料理創作ユニットGoma / 岳泉会
食をテーマに活動する料理創作ユニットGomaを従姉妹のアラキミカと一緒に主宰。雑誌、書籍、webや広告など媒体での食や雑貨の作品発表、もの作りワークショップ開催など多彩なフィールドで活動中。また山と温泉を愛する岳泉会メンバーとしてのんびり登山を楽しむ。Gomaの著書に『Gomaのゆかいなこども雑貨』(文化出版局)、レシピつき絵本『へんてこパンやさん』シリーズ(フレーベル館)など多数。岳泉会著書は『よくばり温泉マウンテン』(パイインターナショナル)。

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