さようならroom504

あの人の素敵暮らしを拝見 2019.07.10

こんにちは、暮らしの装飾家のミスミノリコです。
このたびこちらで暮らしにまつわる小さな連載を始めさせていただくことになりました。
わたしの日々をつづる日記のようなものですが、これから半年間お付き合いいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

連載第一回目にしていきなり、さようならの文字ですが……
つい先日10年以上住み慣れた街を離れ、遠く離れた山形県鶴岡市に引っ越しをしました。鶴岡市は夫の故郷であります。
新天地で私たちはやったこともない「お店」を始めてしまうのですが……
そのお話はまた次回以降に。
まずは私たちの活動の原点となったホームグラウンド、room504 のお話をさせてください。

room504 は、約築50年の古い団地の一室のこと。前の住人S さんが暮らしていた頃から人が多く集まる賑やかな場所でした。ひょんなきっかけからその部屋を引き継ぐことになり、結婚したばかりの料理研究家の夫とそこに住みはじめたのは10年前。
その建物は駅から近いのに静かな環境にあり、大きな木に囲まれた広い敷地には四季折々の花が咲く心穏やかな場所。階段だけの5階はキツかったけれど、当時は前に大きな建物がなかったのでその分空は大きく広がり、眺望が素晴らしかった。
特筆すべきは使いやすく広いキッチン。
白いホーローの三口のビルトインコンロは特にお気に入りで、その後のレシピ研究や料理撮影でも大活躍しました。

夫婦それぞれの著書や雑誌、TVの取材でも多く露出してきた部屋ですが、思い付いたら友人たちに声を掛けて自宅で宴を催すことも。そうして本当に多くの人たちが集まる場所になっていきました。

2019年6月のある日。
そんな愛すべきroom504 での最後の撮影のお仕事が終わりました。
写真はそのときのものです。 皆さんが帰られたあとにパチリ。

ここで撮影した夫のフードユニット「つむぎや」の本が10冊。私の著書が3冊。雑誌やTVの取材も数えきれないくらいいただきました。本当にたくさんのご縁を紡いだ場所でした。最後の最後まで働き者の部屋。 ここに来た時には全く想像していなかったけれど、確実にわたしを育んでくれた場所、room504。

ありがとう、そしてさようなら。私たちの物語はまた次のchapterに進みます。

Profile

季節の「暮らしびと」

ミスミノリコさん

ミスミノリコさん

ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家
店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイリングなどで幅広く活躍する一方でふだんの暮らしに取り入れられる、デコレーションアイデアや手作りの楽しさを発信している。著書として『繕う暮らし』『小さな暮らしのおすそわけ』『繕う愉しみ』(主婦と生活社)がある。また、ダーニングマッシュルームをはじめとした繕いワークショップも各地で開催している。

※「暮らしのBlog」にて内容ご覧ください。