出発の夜、旅立ちの朝

あの人の素敵暮らしを拝見 2019.11.06

こんにちは、暮らしの装飾家のミスミノリコです。

お山の紅葉もだんだんと里に降りてきているようです。少し肌寒い日もあります。
10月のビッグニュースといえば……お店が正式にオープンしました。
いろんなハードルを越えてなんとかここまでたどり着きました。

場を開く

オープニングの2日目と3日目は音楽家の青木隼人さんをお迎えしてギター演奏会を開催しました。
まだ横浜に住んでいたころ、青木さんに鶴岡への移住を伝えると、「お店が出来たら演奏に行きます」と言ってくれました。
それをずっと心に開店準備を続けてきた私たち。演奏会の実現は最大のご褒美でした。
夜の演奏会には「出発の夜」、朝の演奏会には「旅立ちの朝」と名付け、ご予約をいただいたたくさんのお客様とともに、青木さんの演奏に耳を傾け素晴らしい時間を過ごしました。
真空パックにして残したいような時間だった、とは演奏会後のお客様の感想ですが、私も本当にそう思いました。 

方々からお祝いの品やお花が届きました。
どのお花もセンス良くお店を引き立ててくれました。アレンジメントはこのままでしばらく楽しみます。
その後、元気なお花をピックアップして花瓶に活け直すとさらに長く楽しめます。
こちらのアレンジメントにはなんとお箸が付いていました。サラダをイメージしてくれたそうです。
とても可愛い。センスの良いお花屋さんからのお祝いでした。

毎日がジェットコースターのように目まぐるしく過ぎていきます。
でもお店に立つと、もうずっと前からそこにいたような不思議と「しっくり」とする感覚があります。
不思議ですがすこしずつ手をかけて育ててきた場所だからしっくりするのは当たり前かもしれません。

お店の秋冬支度 

プレオープンは9月でした。エアコンの設定も冷房でしたが10月は少しずつ寒い日も増えました。
そろそろ暖房が必要です。
季節の移り変わりともに、お店も少しずつ秋〜冬支度を始めます。

まず手始めに、ベンチシートにブランケットを敷きました。
中でもお気に入りはノルウェーのブランド、ロロスツイードのブランケットです。
暖かさが抜群で、さすがノルウェー生まれ。一番寒い窓際に敷きました。

引越し前から愛用していましたが、触れるだけでポカポカと温まるその実力はここ北国で本領発揮です。
自宅ではこのロロスツイードのブランケッドを柄違い、サイズ違いでいくつか持っていました。
もちろん使い勝手が良いからですが、実を言うと好きすぎて選べなかったのです。
しかしそのお陰で新しく購入しなくても間に合いました。無駄なお買い物ではなかったですね。

北欧の暮らしもそうであるように、東北も寒くなると“おこもり”の時間が多くなります。
インテリアを充実させたくなる季節です。
ブランケッドなどファブリックは面積もあるのでお部屋の雰囲気を変えるのにお役立ちです。
シンプルなソファやベンチに明るい色のブランケットを合わせるのも楽しい。
あえてシックにまとめても素敵。裏表で色が反転するデザインも面白いです。

そういえば秋田に移住した友人夫婦がある日、赤をポイントに使ったリンクコーデで現れました。
彼らは東京ではどちらかというとモノトーンを選ぶことが多かったのですが、秋田にきてから色の選び方が変わったそうです。
冬色には綺麗な色が映えると気づき、積極的に差し色を使うようになったとのこと、とてもお似合いでした。

確かに東京は色に溢れていますが、こちらの冬は色が限られていきます。
それはとても美しいのですが、色の趣味が変わるというのは、とっても興味深い話でした。

家支度も少しずつ

それと、これは自宅で愛用しているフェルトのルームシューズ。
穴あきをお繕いしながら使っていますが、足元がだんだん寒くなってきたので早く仕上げなければ。
こちらはダーニングという技法でお繕いをしています。

拙書『繕う暮らし』、『繕う愉しみ』でもその技法はご紹介していますが、冬の手仕事にぴったりです。
今は慣れないお店仕事でなかなか出来ませんが、毎日でも少しずつ針を持つ時間を持ちたいものです。

私は今年、鶴岡で過ごす初めての冬です。
もともと寒いのが苦手なので不安もありますが、何か綺麗な色のあたたかなものを自分に取り入れて、楽しみながら過ごせればと思います。

次回も冬支度のつづき、、部屋を楽しくするために壁にお気に入りを飾るお話です。

Profile

季節の「暮らしびと」

ミスミノリコさん

ミスミノリコさん

ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家
店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイリングなどで幅広く活躍する一方でふだんの暮らしに取り入れられる、デコレーションアイデアや手作りの楽しさを発信している。著書として『繕う暮らし』『小さな暮らしのおすそわけ』『繕う愉しみ』(主婦と生活社)がある。また、ダーニングマッシュルームをはじめとした繕いワークショップも各地で開催している。

※「暮らしのBlog」にて内容ご覧ください。