サウナのお話

あの人の素敵暮らしを拝見 2020.08.26

サウナはフィンランドの暮らしになくてはならないものの⼀つです。
ひと昔前まで、サウナで出産し、遺体を洗う場だったといいます。つまり、⼈⽣はサウナで始まり、サウナで終わりを迎えていたのです。

それくらいフィンランド⼈の⼼の根っこに近い存在であるサウナですが、フィンランドに移住してから、私もすっかりサウナが好きになりました。お⾵呂がなくても、サウナがあればなんとかやっていけそうです。(いつか我が家に湯船を迎えるという夢はあきらめませんが)
 

今年の夏に借りた夏⼩屋のサウナ。
サウナの扉を開けると、湖に続く階段がありました。とても古い雰囲気のよいサウナ。

暮らしになくてはならないサウナ

サウナには⼤きく分けると、電気サウナと薪サウナがあります。
住宅にあるのはたいてい電気サウナで、私たちが暮らすマンションにも共同サウナがあり、毎週⽔曜⽇は住⼈に解放されています。

薪サウナはどこにあるかというと、公共サウナや夏⼩屋にあります。私たちも毎年夏⼩屋を借りるのですが、夏⼩屋の最⼤の楽しみの⼀つは薪サウナとサウナの後に湖で泳ぐこと。
 

⾃分で薪に⽕をつけて、サウナを温めるところから始めるのですが、⼿間ひまかけて温めたサウナほど 気持ちのよいものはありません。
火遊びが特に好きなわけではないのですが、サウナに火をつける作業はどこか神聖で、進んで私が担当しています。
 

電気サウナとは違って、まろやかな熱でじんわり芯から温まっていきます。⾃宅で⼊るサウナもよいのですが、やはり⾃然の中で味わう薪サウナは特別です。
 

サウナの後のお楽しみ

⼗分に体が温まった後、少し外気で⽕照った体を冷ましてから、湖に⼊ります。
ミントを⾷べた時のようなすーっとした感覚が⾝体中を駆け巡るのを感じながら泳ぎます。

サウナに⼊ると、⼈間もだんだん⾃然の感覚を取り戻し、サウナ後は裸で湖の中に⼊って泳ぎます。⿂につつかれるのではないかと少々恐れながらも、湖で泳ぐのは本当に開放的です。

⾵のない⽇は、⾃分が泳ぐごとに⽔⾯に波が⽣まれ、延々と広がっていきます。⾵のせせらぎや⿃の歌声を聴きながら、泳 ぐのは⾃然の⼀部に還ったような感覚です。
 

サウナの後に泳ぐ夫と娘。娘はお⾵呂派でサウナがあまり得意でなく、サウナでは⼀番下の段に座ります。右:サウナの後は⽔分補給を忘れずに。⼤⼈は「サウナビール」を好んで飲みます。⾵呂上がりの⼀杯という感じでしょうか。

⾃分のペースで、サウナと湖に⼊ることを繰り返し、もう⼗分と思ったところで、サウナで体を洗って、⼀連の「儀式」は終了します。
⾝も⼼も浄化されるような感覚になります。

フィンランドにいらしたら、薪サウナに⼊られることをお勧めします。そこにフィンランド⼈の幸せの素が隠れているかもしれません。

Profile

島塚絵里さん

島塚絵里さん

ヘルシンキ在住のテキスタイルデザイナー。
2007年に移住し、アアルト大学でテキスタイルデザインを学ぶ。マリメッコ社のアートワークスタジオでデザイナーとして勤務したのち、2014年より独立。現在はマリメッコ、サムイ、キッピスなど国内外のブランドにデザインを提供している。Pikku Saari(コッカ社)というテキスタイルブランドをプロデュースしている。サントリー、オールフリーのCMの衣装デザインを担当。2018年、宮古島にオープンしたHotel Locusのオリジナルテキスタイルをデザイン。