お店ってどうやってつくるの?

あの人の素敵暮らしを拝見 2019.08.29

こんにちは。暮らしの装飾家のミスミノリコです。
今日は新しく始めるお店のことについて書きたいと思います。

このブログでもふれましたが、私たち夫婦は長年住み慣れた場所を離れ、6月の末から夫の生まれ故郷である山形県鶴岡市に移住してきました。

ご縁からとある店舗を引き継ぐことになり、それが移住のきっかけとなります。そのお店は、数年前にイベントをさせてもらって知りましたが、ご飯もおいしく、空間も素晴らしく、いつか鶴岡に住んだら通いたいと思うほどのお店でした。それが……まさか自分たちがここで何かを始めるなんて。当時の私たちは夢にも思いませんでした。

神奈川県生まれの私ですが、鶴岡という土地には何か惹(ひ)かれるものがあり、いつか住むんじゃないか?という予感だけはずっとしていたのは本当です。

そうして引っ越してきた私たち。大量の荷物でなかなか片づかない新居がある一方、これから始まるまっさらなお店がある。やるべきことは山のようにあり、思うようにことは進みません。

東京では常にいっぺんにいくつもの仕事を抱えながら、締め切りというハードルを次々と飛び越えていくような忙しい毎日を過ごしていました。

あれ? どうやっていたんだろう。
こちらでは一日にできることがひとつずつ。月曜日に買い物にいって、火曜日にWi-Fiが来て……まるで『一週間の歌』です。

そもそも、お店ってどうやってつくるの?

引っ越しでも大変な思いをしましたが、私たち夫婦は荷物が多い! ふたり暮らしには有り余るほどの器や調理器具、テーブルや引き出し、たくさんの椅子、大きな花びんやピッチャー、使い道のないアンティークのオブジェ……。

でもよく考えるとお店で使える物ばかり。

自宅から運んできたいろいろを少しずつディスプレイしていきます。
徐々に好みの空間ができてきました。

作り付けの棚をデコレーションしたら、上から何か吊るしてみたくなりました。
そうだ、ペンダントライトだ。ペンダントライトがあると、より空間が立体的に見えます。
でも、そんなものはありません。作れないかな?

目に付いたのはずーっと家に転がっていたアンティークの車輪。どこで買ったのか、なぜ買ったかも覚えていない……。

さらに見上げるとシェードのないソケットが。そうだ! これと車輪を組み合わせたら照明になるんじゃない?

ドライバーでちょっと作業をして車輪の穴にコードを通し、ライティングレールに付けて点灯。

いい感じ!

もう少しアクセントを入れたいなあ。
そうだ、あれあれ。

むかーし初めての誕生日プレゼントに夫から贈られたアンティークのオールがありました。(恐らくオールをプレゼントに貰う人はいないでしょう〈笑〉。  ふたりで荒波を越えていこうというプロポーズだと解釈してくれた友人がいます。果たして?)
さっそくワイヤーで吊るしてみます。

おー! なんだか空間ができた!お店っぽい!

そんな感じで本当に少しずつ。
今までひっそりとしていた道具達が所変われば主役級に輝き出しました。
みんな、この時を待っていたんだね。

でも、お店づくりにはもーっと大切な実務があります。
こんなことで喜んでいる場合じゃありません。お店づくりの道はまだまだ続くのです。

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季節の「暮らしびと」

ミスミノリコさん

ミスミノリコさん

ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家
店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイリングなどで幅広く活躍する一方でふだんの暮らしに取り入れられる、デコレーションアイデアや手作りの楽しさを発信している。著書として『繕う暮らし』『小さな暮らしのおすそわけ』『繕う愉しみ』(主婦と生活社)がある。また、ダーニングマッシュルームをはじめとした繕いワークショップも各地で開催している。

※「暮らしのBlog」にて内容ご覧ください。