こぎん刺しとは?
「こぎん刺し」は、青森県津軽地方に伝わる伝統技法です。保温と補強のために作業着にほどこされたのが始まりだそう。素朴で美しい幾何学模様が特徴です。一見むずかしそうですが、連続模様を刺し埋めていくだけなので高度なテクニックは必要なし。ぜひ初心者さんも挑戦してみてくださいね。今回は、刺し始めからひと模様が完成するまで、刺し方のコツやポイントをご紹介します。
【必要な材料と道具】
・刺しゅう針……先が丸くなったクロスステッチ用の針などが最適です。
・刺しゅう布……縦糸と横糸が交互に織られた平織りの布。糸が太くざっくり織られた布を使いましょう。
・こぎん糸……こぎん刺し用の糸が最適です。刺し子糸などを使うのも可能です。
こぎん刺しの刺し方
【まずは糸の準備から】
①こぎん糸を1本ずつ引き抜いて、ほぐしていきます。糸にふくらみを持たせて、こぎん刺しの模様をふっくら仕上げるための作業です。
②1本ずつほぐした糸をそろえ直し、針に通します。このとき、糸の端から通すのではなく、糸を半分の長さに折り、しっかり折り曲げたところから針穴に通すと通しやすいです。
【刺し始め】
織り目のあいだから針を刺し、玉むすびをせず、刺し始めます。裏側で糸端を残しておきます。
【刺し進め方】
①縦糸の本数を数えて、図案の目数を数えながら、左に針を刺していきます。図案通りに横に刺し進めます。
②折り返して2段目を刺していきます。段の変わりめには、裏に渡る糸を0.2~0.3cmたるませておきましょう。左右に往復しながら、模様の段数だけ同様に刺し進めます。
■きれいに刺すためのポイント①■
ひと針刺すごとに糸を引くことで、目がきれいにそろいます。ただし、きつく引きすぎないように注意しましょう。
■きれいに刺すためのポイント②■
糸はゆったりめに引き、ふんわり渡るようにしましょう。こうすることで、ふっくら表情のある仕上がりになります。
【刺し終わり・糸の始末】
裏側で糸をほかの目に数目からませたあと、はさみでカットします。このときも玉止めはしなくて大丈夫です。
【ひと模様が完成!】
1段、2段~と折り返して行き、ひと模様が完成しました。これを繰り返して全模様を刺し、布小物に仕上げたら作品のできあがり!
【本記事の使用キットは「津軽で生まれたこぎん刺しで彩るポーチの会」】
「津軽で生まれたこぎん刺しで彩るポーチの会」は、はじめてさんにも楽しんでいただけるよう、こぎん刺しをやさしくアレンジしたキットになっています。こぎん刺しの楽しさや素朴なやさしさを体験しながら、仕上がった布をふだん使いできるアイテムに仕立てます。毎日の暮らしの中に懐かしくかわいい日本の伝統手芸を取り入れてみませんか。
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