ソウル発・ポップアップでわかる「手仕事」の現在地 / ごきげん韓国レポ

作成日:
更新日:

アンニョンハセヨ! ヘジンオンニです。
韓国で「今、何が最もホットか」を知るには、街で開催されているポップアップストアをのぞくのが一番の近道です。かつて手芸や編み物のイベントを見かける機会はほとんどありませんでしたが、昨冬からその状況は一変、韓国発の手芸ブランドによるポップアップが相次いで開催され、どこも驚くほど大盛況です。今や韓国の編み物ブームは単なる流行の域を超え、ひとつの新しいカルチャーとして定着したことを肌で感じています。

ソウルをにぎわせる、個性豊かな3つのブランド

中でもソウルの編み物文化への感度を一段と高めてくれた、注目の3ブランドをご紹介します。

BERN(ベルン)

水彩画のように繊細な手染め糸が空間を彩るベルンは、複数の糸ブランドが出店するポップアップの中でも特に目を引きました。余り糸を持参すると新しい糸と交換できるサステナブルな試みも話題に。

「イギリスの古い家で編み物を楽しむようなひととき」という世界観は、糸そのものをアートとしてめでる喜びを提案しています。

BERN (베른):@bern.shop.seoul

MUI STUDIO(ムイ スチュディオ)

30年の染色技術を背景に、圧倒的なカラーバリエーションを誇るブランドです。

モダンでスタイリッシュなデザインは、これまでの「編み物=素朴」という固定観念を鮮やかに覆しました。ソウル最大規模のデパート「The Hyundai Seoul」でのポップアップでは、多くの作家とコラボし、スレッドアートやタフティングなど、糸が持つ無限の表現力を提示して注目を集めました。

MUI STUDIO (무이):@muy__studio

MIMI SALON(ミミサロン)

「編み物は人と人をつなぐ糸」という哲学を掲げ、あたたかなコミュニティーを育んでいるサロンです。

ネオンカラーの糸やメッシュ素材など、直感的で遊び心あふれるデザインが多くのファンをひきつけています。

開催されるたびに多くの人々が詰めかける様子から、新しい手仕事の波が着実に広がっていることを実感しています。

MIMI SALON (미미살롱):@mimisalon_

道具まで私らしく彩る「コック(코꾸)」の流行

今の韓国のニッターたちがおもしろいのは、作品を編むだけでなく、道具そのものを自分らしくカスタマイズして楽しんでいる点です。

最近では、ボールペンをデコレーションする「ポルク」という文化になぞらえ、かぎ針をクレイ(粘土)やチャームで飾る「코꾸(コック/かぎ針デコ)」が大流行しています。自分だけの「世界にひとつだけの道具」を持つ喜びが、手仕事の時間をより特別なものにしています。

日本独自の感性にときめく、韓国のファンたち

こうした熱狂的なブームの中、2026年4月10日から23日まで、現代百貨店(千戸店)にてクチュリエが初のポップアップを開催しました。会場は、開店と同時に目当てのアイテムへ急ぐオープンランが起きるほどの熱狂ぶり。これまでオンラインでしか出会えなかった世界を直接見てふれたいと願っていた韓国のファンたちが、その渇きを癒やすかのように駆けつけてくれました。

来場者からは、次のような声が聞かれました。
「最近の韓国のトレンドはシックでクールなものが多いけれど、ここはパッと明るくてカラフル!」「どこか懐かしくてあたたかい、日本特有のアニマルデザインや色彩感覚がたまらなくかわいい」

クチュリエが持つ独特の空気感と、空間そのものが放つときめきが、現地の手づくりファンたちの心にしっかりと届いたようです。

日本で大切に育まれてきた感性と、新しいエネルギーに満ちた韓国のトレンド。このふたつが共鳴して生まれた新しいときめきが、今日もどこかで誰かの暮らしを彩っていると思うと、私まで自然と笑みがこぼれてしまいます。また新しい手仕事の風景を、みなさまにお届けしていきたいと思います!

 

 

金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN

生まれも育ちも韓国蔚山(ウルサン)の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国を拠点に、お茶を中心としたコンテンツや経験を企画するティーキュレーターとして活動中。
「茶有心」 お茶とともに過ごす心。

Instagram:@chayumind

関連記事

最近読んだ記事

おすすめコンテンツ

手芸・手づくりキット、ハンドメイド雑貨のお買い物はこちら