
旅行に出かけたら、感動した風景をスマホでパシャリ、これが普通ですよね。でもその感動を、まるごとセーターに編み込んじゃう人がいるんです。今回は、世界中の名所を自作のセーターに描き、その「ランドマーク・セーター」を着て現地で自撮りをする、そんなユニークなスタイルで知られる編み物作家、サム・バルスキーさんにインタビューをさせていただきました!

アメリカ、ボルチモア出身のサムさん。本格的に編み物を始めたのは、24歳のころだったと言います。「お店で売っている服は選択肢が限られるけれど、自分で編めば自分の着たいもの作れる」というのが編み物の魅力だと語ります。
代名詞である「ランドマーク・セーター」を始めたきっかけを聞くと、予想しなかった答えが返ってきました。「旅行中に、その場所の景色を編んだ自作のセーターをたまたま持っていたから着ていたのですが、ある時そんな写真が10〜15枚ほどたまっていることに気づいて、『これは作品になるかも』と思ったんです」。

以来サムさんの旅は、編み物と写真を組み合わせたアートへと進化していきます。
使用する毛糸に関して特別なこだわりはあるのか聞いたところ、「できるだけ現実の風景に近い色を選ぶようにしていて、糸の色見本の中から現地のイメージに最も近いものを探します」とのことで、写実的な面を大切にされているよう。素材に関しては、「自分は暑がりなので日常遣いに適したコットン素材が好きで、半袖のコットンセーターはTシャツみたいに快適で、毎日でも着られる」と話してくれました。

SNSで人気となった今でも、ほかの人の目を意識することなく自分が着たいものを作っている、そんな彼の自然体な姿勢に感激しました。

数ある作品の中でも特に思い入れがある作品は?と尋ねると、100着目を記念して作られた「ザ・セーター・オブ・セーターズ」(下の写真)を選んでくれました。

それまでに作った34着のセーターが小さく編み込まれており、「自分の軌跡を一枚にまとめた、まさに集大成」と言います。

ただ、「すべてのセーターは、その時自分が編みたいものを編んでいるだけなので、どれかひとつだけが特別というわけではない」とも。毎回の旅先で出会う風景や空気感を、自分の手で形にする、そんな作品作りのプロセスそのものを、サムさんは大切にしているのだと感じました。

今後編んでみたいモチーフに関しては、マチュ・ピチュやローマのコロッセオ、また、「ディズニーから依頼があるならば!(笑)」とエプコット・センターなどを挙げてくれました。中でも「全米50州それぞれのランドマークを描いたセーターを各州少なくとも1枚ずつ編む」という目標は、ぜひ達成したいとのこと。完成した暁にはぜひすべての州で展示会ツアーをしてもらいたいですね!

今年は、7月にウィスコンシン州のジョン・マイケル・コーラー・アーツセンターで個展を開催し、8月にはスミソニアン博物館の展示会でも取り上げられるなど、アートギャラリーの世界でも近年注目を集め始めているサムさん。活動を応援するには、彼のインスタグラムやフェイスブック、ブルースカイなどSNSのフォローがおすすめです。また、「ぜひ日本にも行って名所を編んでみたいので、スポンサーはいつでも募集中です!」とも話してくれました(笑)。

最後に日本の読者へのメッセージをお願いすると、「何よりもまず楽しんで編むことを忘れずに」とサムさん。「自分のペースで楽しんでいれば、創造力はあとからついてきますよ」とあたたかな笑顔で締めくくってくれました。

Sam Barsky
Instagram:@sambarskyknitter


池澤 崇
「好きなこと以外はやらない」というポリシーのもと、自由の国アメリカ・NYで日本文化スペースRESOBOXを運営中。趣味は登山と居合道とバイオリン。NYに住む日本男児3人でポッドキャスト「オールナイトニューヨーク」も配信中。ぜひ聴いてみてください。
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