カロチャ刺しゅうとは
カロチャ刺しゅうは、ハンガリーの代表的な刺しゅうのひとつ。ハンガリー刺しゅうには、地方によってさまざまな種類があるのですが、その中でも、カロチャを中心とする地域に伝わる、色鮮やかなお花をモチーフとした刺しゅうはとても有名です。刺しゅうの技法としては、とてもシンプルで、茎にアウトラインステッチを使用する以外は、基本的にサテンステッチで刺し埋めていきます。
材料と道具
・刺しゅう糸
カロチャ刺しゅうには、日本で一般的に使われている6本の細い糸がより合わさった25番刺しゅう糸よりも太い糸を使用します。ただ、ハンガリーの刺しゅう糸はあまり市販されていません。日本で入手しやすい太めの糸は、8番や5番の刺しゅう糸ですが、25番を6本どりで使用してみてもよいでしょう。
・針
ハンガリーでは、一般的に日本でいう「メリケン針7号」を使用します。これは、糸と同じ太さのため、サテンステッチで針を刺す位置の目安になるという理由からです。ただし針穴が小さいため、糸通しが必要です。刺しゅう針を使ってもかまいません。
・布、チャコペンシル、糸通し、ハサミなど
刺しゅうしてみましょう!
あらかじめ、布に図案を写しておきます。接着芯は貼らずに刺しゅうします。
アウトラインステッチ
茎のアウトラインステッチから刺しゅうをします。玉結びは作らずに刺し始めます。
茎の流れを意識して、一定方向に刺しゅうするときれいに仕上がりますよ。
1 隣り合っているサテンステッチの図案の中から刺し始め、茎の0.5針分(約0.2cm)手前に針を出します。
2 1針分(約0.4cm)先に針を入れ、茎の端から針を出します。
3 同様の間隔でアウトラインステッチをします。
4 刺し終わりは、裏側でステッチに糸を絡めてカットします。
サテンステッチ
ステッチが平行に並ぶように糸を渡して、面を埋めていきます。
美しく仕上げるためには、糸の引き加減が重要で、引きすぎて布にしわがよったり、逆にゆるくて糸が浮いてしまわないように気をつけましょう。
1 図案の中に数目刺して、刺し始め位置に針を出します。
2 図案どおりに糸を渡し、糸の太さを考えて、次に針を出す位置を決めます。
3 最初のステッチに対して平行にサテンステッチをし、途中、刺し始めの余分な糸端をカットします。
4 刺し終わりは、裏側でステッチを数本すくい、糸をカットします。
カロチャ刺しゅうのできあがり!
サテンステッチは、最初からきれいに刺しゅうするのはむずかしいかもしれませんが、もともと素朴な図案がカロチャ刺しゅうの魅力なので、少しくらいいびつなほうが味わいUP!といった気楽な気持ちでチャレンジしてみてくださいね。シンプルなステッチなので時間を忘れて夢中になれますよ。
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