手芸デザイナーの春日一枝さんのインタビュー。前回はポンポンとの出会いや魅力についてお話しをうかがいました。最終回は、春日さんの手仕事への思いと、さまざまな活動をご紹介します。
ものが生まれる背景にある「物語」を伝えたい
春日さんは、2010年から「Bahar(バハール)」というブランドをスタート。ルーマニア、ハンガリーの刺しゅうなどの手仕事をテーマに小さな本や雑貨を発信しています。アトリエでは世界で出会った手仕事を展示したり、ワークショップを開くなど、手仕事の魅力を伝えています。
途方もない手間と時間から生み出される美しさ
フリーランスの編集者でもある春日さん。現在は、『毛糸だま(日本ヴォーグ社)』で連載中の「世界手芸紀行」を書籍にまとめているところだそうです(2017年1月発売予定)。「途方もない手間と時間をかけて、人の手がつくりだす美しさに惹かれます。家族や大切な人のため、想いがつまっているのも愛おしいです」。
よさが知られることで後継者が増えることも
伝統的な手仕事の後継者は、日本も海外も減りつつあり、民族衣装を日常的に着る人も少なくなっています。ところが今、日本でそのよさが知られることで、後継者が増えているものもあるのだとか。だからこそ、もっと日本や世界の手仕事のよさを伝えていきたい。そんな春日さんの熱意が伝わってきます。
ポンポンをきれいに仕上げるコツは?
最後に、ポンポンをきれいにつくるコツを春日さんにおうかがいました。「糸をやや引き気味に巻くといいですね。あとはカットするときの柄のととのえ方がポイントです。柄がバラバラだ~と思ったら、ハサミの先などで根もとをぐっと押して移動させれば、きれいに柄がまとまりますよ。」とアドバイスをいただきました。
日本に残る、趣味としての手仕事を守りたい
「柄を出すコツがわかったら、ぜひ、オリジナルの柄を作ってみてください。糸の色をアレンジしたり、模様を開発してもいいですね」。
日本は世界的に見ても趣味としての手芸が盛んでうれしい、と、春日さんはおっしゃいます。手芸もひとつの文化。絶やさないように、私たちみんなでつなげていきたいですね。
いかがでしたか。今回インタビューをとおして、春日さんの素敵なお人柄や魅力に触れることができました。
チュール遣いやお花模様など、ポンポンのイメージを変える、春日さん監修の「色とりどりの模様にひかれる お花ポンポンの会」、ぜひチェックしてみてくださいね。
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