
唯一無二の世界観でパンチニードルやパッチワークなどの作品を世に送り出すさぶさん。前編に続き、ものづくりへの思いをお届けします。
「好き」を紡いで自分だけの世界を作る
パンチニードルやパッチワークにとどまらず、布、粘土、タイル、木工作品まで、手づくりのフィールドはどんどん拡大中。そしてそのすべての作品に漂っているのが、どことなく「昭和」を感じる独特のニュアンスです。

「実家の玄関にある不思議な置物や、昭和時代の公共施設のびっくりするくらいお金をかけたインテリアなど、ほのかな違和感、妙な怖さや派手さ、かわいさ、謎の意気込み、底知れないエネルギー、昭和時代のそういう感じがすごく好きで。中学生のころから通っていて、卒業後にしばらく働かせてもらっていた古道具屋があるんですが、そこも店内に一歩入るといきなりポールダンスの劇場になっていましたし(笑)。こうした世界観にはものすごく影響を受けていると思います」
といっても決して懐古主義に浸るわけではなく、突き抜けた新しさも感じるさぶさんの世界。その不思議なバランスが、ますます作品の魅力を深めています。

「当時にそのままタイムスリップしたいかと言われると全然そんなことはなくて、昭和の中でも自分なりのときめきポイントがあって。だから好きな昭和のエッセンスは取り入れつつも、今の自分にしか出せないオリジナルな色遣いやデザインを大切にしています。といってもふだんは特に意識してなくて、作品を見ながら改めて自己分析するとそうなのかな?という感じなのですが……」

すみからすみまで「好き」のパワーに満ちているさぶさんの世界。自分の「好き」を貫くために大切なこととは何なのでしょうか。
「『好きを貫く』を裏返せば、『やりたくないことはなるべくやらない』ということ。私の場合だと、お裁縫を型通りにやるとか、満員電車に乗るとか、好きじゃないデザインのものが部屋にあるとかになるのですが、まずはそれを紙にバーッと書き出して、『これはしないぞ!』って決意したんです。例えば道具ひとつとっても、間に合わせで買った適当なハサミだと気分が落ちるし、その気分は絶対に作品にも出てしまう。だから、心から好きだと思えるものを厳選して使う。そしてやりたくないことのために使っていた時間や労力を、これからは好きなことだけのために使う。そういう小さな決断の積み重ねの上に、ようやく今の自分が存在できているような気がします。自分がこれからもしあわせに生きるために、大切にし続けたいことです」
現在、日々の作品作りで大変なことは「特にないです!」と清々しく言い切るさぶさん。「それより今は、創作と日々の生活を両立することの方がむずかしくて。子どもの面談とか、歯医者に行くとか、書類を書くとか……。どれもやりたくないけど、絶対やらないといけないことだから、がんばっています(笑)」




イラストレーター・ハンドメイド作家 さぶ
1987年神奈川生まれ。イラストの専門学校を卒業後、古道具の世界に入り、2012年よりイラストレーターとして活動。主に水彩を使った絵のほか、パンチニードルやパッチワークなどのハンドメイド作品も多数発表。2021年、作品集『もしかしてハンドメイド』(自費出版)を発表。Instagram:subchanforever
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