ニューヨーク散歩〜大賑わいの“Japanese Artist Pop-up Shop”〜

2022年10月11日(火曜日)

世界中から集まった作品に出会えるのが、ここNYのおもしろさなのですが、日本人作家の作品は見かける機会がとっても少ない! そんな中、日本人作家のアクセサリー販売会「Japanese Artist Pop-up Shop」がにぎわっていると耳にして、主宰する伊藤 容子さんにお話をうかがってきました。

コロナでの中断を経て再開した「Japanese Artist Pop-up Shop」を僕が訪れたのは、10回目にあたる節目の時。「日本に行かないと買えないアクセサリー」を求めて400人を超えるファンが押し寄せ、会場はパンパン。ここを運営するのが伊藤 容子さんです。伊藤さんはIT系企業の営業マンとして東京で数年働いた後、「英語を使って仕事をしてみたい!」と一念発起、2018年に渡米したそう。そしてまず飛び込んだのが、NYで日本の工芸品や食品のPRを行う企業。そこでインターンとして働く3ヵ月の間に、NY市内にあるスペースを使って、自分のアイデアでイベントを行うチャンスを得ます。その時思いついたのが、日本人作家によるハンドメイド作品の販売会でした。それは、日本の露店で数千円で買った手づくりのイヤリングが、通りすがりのニューヨーカーに「それどこで買ったの?」と驚くほどいつも褒められ、「もっといろいろな作品を彼らに見せてみたい」と思ったのがきっかけでした。

ハンドメイドのアクセサリーが大好きで、昔からさまざまな作り手をSNSでフォローしていた伊藤さん。まずは自分が純粋にいいと思う作品を作っている人に声をかけてみようと、アメリカに住む日本人はもちろん、日本在住の作家の方にもメールを送ったところ、瞬く間に20名ほどの作家さんが集まったそうです。最初の来客数は50人程度と少なかったそうですが、その後、2、3ヵ月に一回のペースで開催をしていくうちに口コミで話題となり、今では半日で数百人が訪れる、NYのハンドメイド系ポップアップの中でも有数の人気を誇るイベントに成長しました。

訪れたニューヨーカーは一様に、日本人が作ったアクセサリーに夢中! あれこれ見ていると飛ぶように時間がすぎていきます。

訪れるのは20~30代アジア系の方が7割、白人の方が2割くらいで、「アメリカのアクセサリーは自分の体格や肌の色に合わない」と感じている若者たちが大半。「ここでは、アメリカでは見られないような作品がいっぱい! 特に、これほど細部まで気配りができている作品は、ここ以外ではほぼ手に入らない」と、ここぞとばかりに買っていくそうです。日本人の感性で作られた手づくりの作品が、ここNYでこれほどまでに評価をされているだなんて、僕までうれしくなってしまいます。

ペルー在住の日本人作家AKKANBEさんの折り紙のアクセサリーたち。ヴィヴィッドな色合いもかわいい。

人気作品の傾向を尋ねたところ、伊藤さんは一瞬考えこんで「まだまだわからないことは多いですが……」と前置きをしながらも、特にお客さんの中で話題になっているという作品を見せてくれました。ひとつ目がペルー在住の日本人作家AKKANBEさんの折り紙のイヤリング。「人気のポイントはミニチュアサイズなのに細かなデザインがほどこされていて、日本の文化的な要素が含まれているところですね」とのこと。そういえば数年前に僕が自社イベントで取り上げたミニチュアフード(樹脂粘土で作ったフェイクフード)も大人気ですぐに売り切れたので、日本のミニチュアの精巧さや繊細さはニューヨーカーにとっても、魅力なのかもしれません。

日本在住Twilightさんの作品は、水引の繊細で奥ゆかしいたたずまいが魅力。日本人の美意識がニューヨーカーにうけるのはうれしい。

ふたつ目は、日本在住の作家である水引装飾Twilightさんによる、ネックレスなどのアクセサリー。この作品をきっかけに水引を知り、水引のワークショップを受けたいという問い合わせを受けたこともあるそうで、日本の工芸文化がこのような形で伝わるなんてとても素敵だなと感じます。

あらゆるテイストのさまざまなアイテムが出品されていて、こちらは蝶ネクタイ、イヤアクセ、イラストなどほんの一部。NYで日本人の感性にふれられるのは楽しい!

伊藤さんに今後の展望を聞いてみると「一般の方々への販売だけではなく、セレクトショップに売り込んだり、NYの企業と日本人作家のコラボ商品を企画するなど、もっといろいろな方法でたくさんの日本人作家をサポートしていきたい」とのこと。また、「作家さんは旅行ついででもいいので一度NYに来て、自分の作品を自らの手で売ってみてほしい。その経験が必ず次のクリエイションにつながります」と現場でお客さまとふれ合うことの重要性についても話してくれました。「もっと多くの日本人が世界で活躍できるような場をつくっていけたらと思っているんです」と語る伊藤さん。みなさんも、彼女と一緒にNYで日本のハンドメイドブームを起こしてみませんか?

伊藤 容子さん

NYK MARKETING INC
japanese.artist.popupshop@gmail.com

池澤 崇

「好きなこと以外はやらない」というポリシーのもと、自由の国アメリカ・NYで日本文化スペースRESOBOXを運営中。趣味は登山と居合道とバイオリン。NYに住む日本男児3人でポッドキャスト「オールナイトニューヨーク」も配信中。ぜひ聴いてみてください。https://www.resobox.com/

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