手芸作家 中島一恵さん スペシャルインタビュー〈作家さんの収納アイデア〉前編

2022年6月21日(火曜日)

手づくりのある暮らしを楽しむ上で気になることといえば、材料や素材の収納問題ですよね……。今回は、手芸作家・中島 一恵さんのアトリエを拝見。ものが多いのにすっきり見えて、機能的なのにスタイリッシュで。まねしたくなる収納の秘密、たっぷりとお聞きしてきました!

イメージを決めたら、あとはおおらかに。

自由で洗練された作品の数々にファンの多い、手芸作家の中島 一恵さん。最新刊『100ネエサン スタイルブック おしゃれに着せ替えて遊ぶ布ぬりえ』は、中島さんの代表作であるテキスタイルシリーズ「100ネエサン」を使って布遊びができる、レシピ本のようなアイデアブック。初心者さんもベテランさんも楽しめる、手づくりのワクワク感が詰まったとっておきの一冊です。

刺しゅう、フェルト、キルトと幅広い作風の中島さん。となると、素材も道具も相当な量になるはず……ですが、アトリエはご覧の通り美しく整然としています。「私の収納は夢がないんですよ」と笑う中島さんですが、見れば見るほど隅々までこだわりが詰まっている様子。今回は、そんな収納のアイデアをじっくりと見せていただきました。

自然光の美しいアトリエ。動画の撮影は手前のデスクで行っている。

イメージの参考にしているのは学者の研究室や昆虫の標本箱というだけあって、アトリエはモノトーンを基調とし、素材は種類別にラベリングの上、ボックスに整然と収納されています。機能的でも殺風景な印象にならないのは、背表紙を眺めているだけで楽しいという「好き」の詰まった本棚や、素材の色がひと目でわかるカラフルな透明ボックスのおかげ。遊び心やワクワク感を視界に入れることも、豊かな創作生活のために大切にしていることのひとつです。

フェルト作品は黒いボックスに、「100ネエサン」は黒いベースに並べて保管。どちらもどことなく標本箱のようなたたずまい。

梱包用の段ボールを利用し、糸を立てて収納。細かなアイデアが随所に光る。

「本当は常にデスク上に物がないすっきりとした状態が理想ですが、作業が続くとどうしても素材であふれかえってしまいます。でもそのあふれる様子から創作のインスピレーションを得ることもあるので、それが自分らしさかな? と割り切っています。それに、よくきれいな収納をキープするコツとして、ものに『住所』を与えるって言いますよね。でも私はそこまできちんとできないから、『寝床』って呼んでいるんです。多少ごちゃついても気にせずに、仕事がいったん落ち着いたら、ものを寝床に戻して寝かせてあげる。それくらいのおおらかさが、長続きのコツなのかもしれません(笑)」。

キルトなどの大物よりもフェルトなどの小さめの作品が増えつつあったり、最近は配信用動画の撮影も自分自身で行うなど、生活に合わせてアトリエの使い方も少しずつ変化していますが、中島さんはその都度収納を見直し、少しずつ調整していきます。また、木製の棚は以前この部屋を使っていた息子さんのお下がりを使うなど、必要以上に経費をかけず、あるものはなるべくそのまま生かすスタイル。メーカーのリニューアルで収納箱のサイズが変わってしまっても、すべて買い換えるのではなく並べ方などを工夫して対応したり、スーパーで買った果物の紙製ケースを収納に再利用したり。柔軟な視点とアイデアさえあれば、お金をかけなくても美しい収納が叶うことを、中島さんのアトリエが教えてくれます。

後編につづく>

手芸作家 中島 一恵(なかじま かずえ)

1989年、キルトデザイナー藤田 久美子さんと出会い、制作をスタート。キルト、刺しゅう、フェルトなど、幅広い技法を取り入れた作風が人気。ネットショップ「Quilts1989」主宰。最新刊は『100ネエサン スタイルブック おしゃれに着せ替えて遊ぶ布ぬりえ』(グラフィック社)。

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