暮らしがつむぐ、いとしいミトン その1

2021年11月8日(月曜日)

何気ない日常のひとこま、旅先で目にした風景。ミトンをキャンバスに、感じたことや思い出を情感たっぷりに編み描く、編み物作家の塩田素直さん。『クチュリエの種』では、ベルギー在住時の連載「sunaoの暮らしと手づくり便り」が人気を博しましたが、帰国後の現在は愛知県の山間部で、編み物、庭づくり、畑仕事、そして子育てをめいっぱい楽しんでいるとのこと。素直さんの飾らないライフスタイルに「暮らしと手づくり」のヒントを求めて、お住まいを兼ねたアトリエにお伺いしました。
3回シリーズでお届けします。

手づくりのよさは「好き」を「好き」に作れること

素直さんのアトリエスペース。 やわらかな西陽がはいる窓際には、お気に入りの絵葉書や花をディスプレー

南向きに大きく開かれたテラスドアから、差し込む光が心地いい。緑豊かなお庭に面した広い空間が、素直さんの生活の拠点。「木工好きの夫が作ってくれました」という大きなテーブルを中心に、お子さまたちのフリースペース、家族でくつろぐダイニング、素直さんのアトリエが、壁で仕切られることなく上手に振り分けられている。「みんながそれぞれ好きなことをしていても、なんとなく存在を感じあえる家がいいなぁ」そんな思いも、出産を機にこの地へ移住し、住まいをつくるにあたって大切にしてきたことのひとつ。
 

パンジー、教会の扉、木々、古い器など、目に映るあらゆるものがモチーフに。

2014年に移住と時を同じくして編み物作家として歩み始めた素直さんですが、お母さまも洋裁や編み物など作ることが何でもお好きだったとのこと。その手づくりのものを身に着けて育った素直さんは、ごく自然な流れで編み物を始めたそうですが、ミトンを編むきっかけを尋ねると、何ともうれしいお答えが。「実はクチュリエのキットがきっかけなんです。2008年ごろ、クチュリエのキットではじめて三角ミトンを手づくりして、模様を編む楽しさを知りました。それからしばらくして、ふいに手袋が欲しくなってあれこれ探したのですが、お店では自分が好きなもの、似合うものに出会えなかったんですよね。その時にクチュリエでミトンを作ったことを思い出して、今度は本を買って編んでみました」 そうして編んでいるうちに、だんだんと編み柄を好きなようにアレンジしてみたくなり、じゃあ次は図案の絵から描いてみよう! とその創作活動が始まっていきました。
「手づくりのよさは、自分だけのものが作れることだと思うんです。ほかの誰かが好きかどうかは気にせずに、本当に自分の好きなものを作れるのが楽しくて仕方がありません。子どものころからおしゃれが好きで、自分の『好き』を好きなように作りたいという気持ちが強いのも、手づくりを続けている理由かもしれません」
 

バスケットいっぱいのミトンたち。

やさしいけれど素朴すぎない愛らしさ。編み上げられる様子を想像するだけでうっとりしてしまう、繊細な柄と美しい編み目。素直さんの特徴的な色づかいや配色は、意外にも「直感!」だそう。「私はファッションも暮らしもナチュラルでいようとは思っていなくて、好きだと思うもの、興味のあるもの、好奇心がくすぐられるものを、直感でさっと選んでいます。どこかにヴィヴィッドな個性を潜ませるのが好きなので、ミトンの手首にキラキラした糸を使ってアクセントにしたり、色遣いや配色も直感。ミトンは基本的に表編みなので、コツをつかめばさほどむずかしくはないですし、同じ柄でも色で遊べるのが魅力のひとつだと思います」
次回につづく

塩田 素直さん


兵庫県出身。結婚を機に愛知県に移住し、編み物制作を始める。2014年に初の個展を開催。2016年末から3年間のベルギー生活を経て、2020年1月末帰国。現在は、のどかな里山で田舎暮らしを楽しみながら編み物をする日々。


https://sunaoknitting.com/
instagram – @shiotasunao

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