フェリシモCompany60th

フェリシモならではの“未来の”お買い物体験がここからはじまる!今まで以上のおどろきをお届けする、felissimore[フェリシモっと]大阪・関西万博店」にまつわる10のこと。

felissimore フェリシモっと

こんにちは、フェリシモしあわせ共創事務局のFukuです。

フェリシモは、ただいま、大阪・関西万博に出店しています!

フェリシモの楽しい商品とお買い物体験を通じて、世界中の方々に、[more=もっと]たくさんのおどろきやワクワク、そして笑顔をお届けしたい。そうした思いから、店舗には、「YOU+MORE!」のユニークなアイテムや「フェリシモ『猫部』」発の基金付き商品、OSAKAをモチーフにした遊び心あふれるオリジナルグッズなどを並べています。店内を存分に楽しめる展示コンテンツも日々アップデート中。

この出店を企画したのは、今回取材をした「O2O(オーツーオー)事業グループ」です。わたしたちフェリシモは、ダイレクトマーケティングを手がけると同時に、実は、さまざまな方法でお客さまに商品をお届けしています。その一環で、イベントを企画したり、店舗をつくったり、新たな事業を企画しているのが「O2O事業グループ」です。

大阪・関西万博の店舗にかけた思いとともに、「O2O事業グループ」の企画チームとしてのこだわりについて、鈴木学さん、矢野雄大さんにお話を聞きました。

話し手:鈴木学さん、矢野雄大さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

Q1、お二人のお仕事について教えてください。

鈴木:O2O事業グループは、いわばお客さまとの新しい出会いをつくる事業グループです。フェリシモのメインの販売方法は、オンラインでの通信販売ではありますが、実は他にもフェリシモの商品と出会える機会があるんです。その機会をつくるために、リアルに商品にふれていただく店舗をつくったり、フェリシモ以外の小売店さまとも取引をして販路の多様化をはかったり、独自の猫グッズをライセンス化して「フェリシモわんにゃん基金」の支援の間口を広げたり。Webやカタログ以外のさまざまな方法でフェリシモのことを知っていただいて、ご購入までを体験していただく事業やオリジナル商品の企画、店舗運営などを手がけています。

矢野雄大さん(左)と鈴木学さん(右)
矢野雄大さん(左)と鈴木学さん(右)

矢野:メンバーは全員で6人います。基本的にみんなで企画をして実践していくことが多いのですが、なかでも、僕は商品企画を担当することが多いですね。一緒に万博の店舗を担当している鹿嶋は、グラフィックデザインなどの造作に秀でているので、店内装飾や店頭POPをつくるなど、自然とそれぞれの得意分野を活かしあいながら成り立っているチームだと思います。

Q2、その事業の一つとして、大阪・関西万博に出店されたということですね。どのようなきっかけで出店をすることになったのでしょうか。

フェリシモっとの店内の様子

鈴木:知人を介して、万博に出店する事業者を募集していることを知りました。実は、はじめはあまりピンときていなかったんです。でも、よく考えてみると、その前に大阪万博が開催されたのは僕が生まれる前の1970年のこと。仮に、50年後にまた関西で万博が開催されるとしても僕はおそらくもうこの世にいません。そう考えると、生きているうちに万博に出店できるチャンスなんておそらくもうないだろうし、チャレンジした方が、仕事も人生そのものも、もっとおもしろくなるんじゃないかなって思ったんです。そこで、メンバーに相談しました。

矢野:忘れもしませんね。出張先の喫茶店で「やりますか? それとも、やりますか?」と鈴木さんに聞かれて(笑)。「やりましょう!」って。だいたい新しい事業がはじまる時はそんな感じで、出張先から新幹線に乗る前に2〜3時間、喫茶店談義をしながら方向性を詰めていくことが多くって。万博の場合も、学生さんや海外の方など、いつものフェリシモとは違うお客さまが来るかもしれない、どんな商品があればよろこんでいただけるだろうと、どうすればお客さまに満足していただけるのか頭をフル回転させて考えはじめました。

鈴木:ほとんどのプロジェクトにおいて、そのような喫茶店での打ち合わせでスピーディーにコンセプトの骨子くらいまで昇華させていくような感じですね。O2O事業グループのメンバーは、基本的に誰もが、その先に大変なことがあったとしても「やりたい!」という思いが勝つ気質といいますか。僕自身も、新たな事業にトライするときは、学生時代の文化祭前夜のように、とにかく心がドキドキするかどうかをとても大事にしています。「フェリシモっと」についても、そういう感覚で、「やりたい!」という思いを企画に乗せて、一気に構想を詰めていきました。

Q3、なんだか広がりを感じる「フェリシモっと」という店舗名。どのような由来で名付けられたのでしょうか? 

鈴木:フェリシモの強みってなんだろう?と考えたときに、まず他にはないおもしろい商品ラインナップであること。さらに、そこにとどまらず、担当チームが企画に込めた思いや、次世代へのメッセージ、社会支援へとつながる基金も魅力だと思ったんです。そういう、ものを介してコミュニケーションが生まれていくようストーリーづくりや生活が豊かになるような“商品コンセプト”を全面に押し出して、フェリシモの企画力を世界に発信していけるお店にできないかと考えました。この方向性で企画書をつくり、社内で検討していくうちに、これまでつくってきたものを並べる、つまり過去の実績を発信するのみならず、今までやったことのないことにチャレンジする「ここから始まる“未来の店舗”」を目指そうということになったんです。その“未来の店舗”の第一弾となるお店で、フェリシモが未来にもっと広がっていくために、今、何をやるべきかを考えた末に出てきたのが、“もっと=more”たくさんのおどろきやワクワクということ。そして、笑顔をお届けするという意味を込めた「フェリシモっと」という店舗名でした。

由来を話す鈴木さん

Q4、商品セレクトの方向性については、どのような意図や背景があったのでしょうか?

矢野:大阪万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というコンセプトに共感しながら、“もっと”たくさんのサプライズを提供するということで、ユニークな発想でSNSでもよく話題になる「YOU+MORE!」、犬猫を救う基金付き商品を提供する「フェリシモ『猫部』」、美術館やアートを暮らしの中で楽しむグッズを展開する「ミュージアム部(リンク:)」、お寺文化から心豊かな暮らしのヒントを見つける「おてらぶ」、この4つを中心に商品を展開しています。ただ、僕たちのミッションは新たなお客さまとの接点をつくっていくことであり、今までのフェリシモにはなかった、新たなワクワクや感動と出逢える “未来の店舗”をつくること。だから、今ある商品を並べるだけではなく、この店舗のために考えた新たなアイテムが必要だということで、オリジナル商品を企画しました。万博に来場するのは、3割が外国人で7割が日本人。さらにその日本人のうち6〜7割は関西の方が想定されるというデータがあります。ならば、メインのお客さまは関西人ということになる。それらすべての人に満足いただける商品をお店に並べたいなと思ったんです。

商品展示の様子

Q5、オリジナル商品について教えてください!

矢野:“OSAKA”を合言葉に、猫、串カツ、たこ焼きなどをイラスト化したTシャツ、クリアファイル、手ぬぐいなどをつくりました。新幹線の駅に置いてあるようないわゆる“ザ・大阪土産”みたいなものをつくっても、おそらく地元の人は買いませんよね。国内外の人に楽しんでいただけて、かつ、地元の人にもおもしろがってもらえそうなものってどんな商品だろう?という視点で企画をしていきました。例えば、“大阪猫”と描かれたイラストは、地元の人であれば大阪ならではのファッションを連想するかもしれないし、関西圏以外の方ならば猫好きの人が振り向いてくれるかもしれない。そう考えて猫をモチーフにしてみたり。僕が関西人として持っている感覚から、大阪ならではのシンボルやネタを遊びの要素として取り入れていきました。バンダナ風手ぬぐいには、大阪周辺にある観光地のイラストを入れてみたり。典型的な“ザ・大阪土産”ではない、ファッションアイテムとして楽しんでもらえるものづくりを目指しました。

左はバンダナ風手ぬぐい。前方後円墳に串カツ、ビール。大阪の定番!?アイテムをデザインに落とし込みました。右は「大阪っぽさ」をイメージしたクリアファイル。Tシャツやハンカチもあります。
左はバンダナ風手ぬぐい。前方後円墳に串カツ、ビール。大阪の定番!?アイテムをデザインに落とし込みました。右は「大阪っぽさ」をイメージしたクリアファイル。Tシャツやハンカチもあります。

Q6、お客さまからはどのような反響がありますか? 

鈴木:オリジナルだと、大阪ボーイTシャツこと大阪の男子がたこ焼きを焼いているTシャツがとても人気です。ブランドのなかで、最近では「YOU+MORE! ぎゅうぎゅう集まって眠る ハムスターのボックスティッシュカバー」が人気ですね。あとは暑いからか、ペットボトルカバーもよく売れています。

「YOU+MORE! ぎゅうぎゅう集まって眠る ハムスターのボックスティッシュカバー」。たしかに思わず手にとってしまうかわいさです。
「YOU+MORE! ぎゅうぎゅう集まって眠る ハムスターのボックスティッシュカバー」。たしかに思わず手にとってしまうかわいさです。

矢野:価格やサイズ感、他にはなさそうな質感がいいようで、ポーチやぬいぐるみあたりも反響が大きいです。

鈴木:ホワホワ系の商品は人気で、店内で毛足の長いマスコットと自撮りしているお客さまも結構いらっしゃったりして。新たな取り組みとして、6月からは「フェリシモ保冷剤とセットになったアイス」と「シャーベット」の2種類を販売しています。シャーベットは連日品切れが起こるほどの人気ぶりです。

矢野:なお、店内装飾についても、テーマパークのような楽しい雰囲気の店内にしたかったので、ネオンの観覧車をつくってみました。こちらは紙器メーカーにつくっていただきました。装飾などの可能な部分は僕たちスタッフがDIYでつくっていて、ネオンはメインの看板とデザインをあわせて鹿嶋がつけてくれました。

にぎやかな店内。商品ラインナップも装飾も日々アップデート中。ちなみに観覧車は光ります。※写真はオープン時のものです。店舗デザインは時期によって異なります。
にぎやかな店内。商品ラインナップも装飾も日々アップデート中。ちなみに観覧車は光ります。※写真はオープン時のものです。店舗デザインは時期によって異なります。

Q7、DIY精神がすごいですね……! ノベルティの「すっげえ笠」も心くすぐるデザインですが、こちらはどのように企画をされたのでしょうか?

鈴木:日本で古くから日除け・雨よけとしてつくられてきた菅笠(すげがさ)をアレンジしたもので、税込み3,300円以上お買い上げいただいた方にプレゼントしています。1970年に開催された大阪万博のころは、チューリップハットが流行していて、万博でもロゴ入りのチューリップハットが販売され、暑さをしのいでくれたというような話を聞いたことがあって。それをヒントに、「ノベルティは帽子だ!」とひらめいたんです。ちょうど、オンデマンド印刷で多様なデザインを展開できるという取引先さまと知り合ったこともタイミングが重なって。それで、画用紙でサンプルを自作して、紙の帽子を作れるのかどうか相談してみたところ、実現できることになったんです。葛飾北斎の浮世絵「赤富士」など日本の伝統やかわいらしさを感じるデザインを9種類、ランダムにお配りしています。また、1日被って終わりではなく、捨てずに持ち帰って再利用できるよう、帽子に切り込みを入れて写真を飾れるような仕掛けを加えました。実際にこれを被って会場を歩いている方もお見かけし、なんだかうれしいです。

縦向きにも横向きにも写真が入れられるという。仕掛けが細かい! 言わずもがな、「菅笠」をダジャレ風にアレンジして「すっげえ笠」というネーミングになりました。
縦向きにも横向きにも写真が入れられるという。仕掛けが細かい! 言わずもがな、「菅笠」をダジャレ風にアレンジして「すっげえ笠」というネーミングになりました。

Q8、既存の商品のラインナップも含めて、O2O事業グループならではの企画力が随所に発揮されていると感じます。万博の店舗を運営するうえでは、特にどのような強みが生かされたとお考えですか?

鈴木:現場では、商品の人気状況をみながら、今どんな商品を出すのか見極める力が求められます。例えば、雨が多いならば傘、暑い日が続くのであれば日除けグッズを前面に出す、という風に。MD(*1)的な視点で考えると、事業グループ内でどんどん商品企画を進めていかないと、間に合わないんですよね。もともと商品企画を担当していた矢野がいるから、スピーディーに商品企画が行えるのは強みだと思います。

(*1)MD=マーチャンダイジング。顧客視点で商品計画・在庫管理・品揃え・調達などを行い、購買を促進するための総合的な戦略・活動。

強みについて話す鈴木さん

矢野:普段からいろいろな店舗に立つなかで、例えば女性向けの洋服を販売していると、一緒に来られるパートナーの方や男のお子さまに興味を持ってもらえるものが一緒に販売できていないと感じていました。万博に来られる方の男女比率は半々くらいとされているので、「フェリシモっと」に来てくださるお客さま全員が手に取れるものがあればいいなぁという発想から、性別、世代、国籍すべてを超えて楽しんでいただける商品ラインナップを目指しました。それを実現できたのは、フェリシモのO2O事業グループだからだといえるかもしれません。

鈴木:O2O事業グループは、会社では、チーム全員が一つの島に座席が集まっているので、形式ばった「会議」はほぼないんです。企画の相談やアイデアの議論が、まるで呼吸をするように日常の中で交わされています。だから、店舗のコンセプトや商品企画しかり、立ち話のようなやり取りの中でどんどん決まっていくので、意思決定のスピードもとても速い。万博への出店を決めてから今日に至るまでのスケジュールをこなしてこられたのも、こうした日々の自然なやりとりが支えてくれているからだと思います。

商品のラインナップについて話す矢野さん

Q9、O2O事業グループは企画チームという側面が強いと思いますが、フェリシモのコアバリューともなる“事業性・独創性・社会性”を反映させるためにどのように意識されましたか?

矢野:お店のコンセプトも、もちろん事業性・独創性・社会性この3つの同時実現を目指しています。今回の店舗では、Surprise, Satisfy, Sustainable, Smileの4つのキーワードを立てて、それら4つの“S”が循環していく店舗というのをコンセプトに据えています。まず、Surpriseには独創性のある商品を位置付けてお客さまにおもしろがっていただき、それを買うことでSatisfyつまり満足していただくことが事業性であると。そして、「フェリシモ『猫部』」の商品を買うことで寄付ができることや、「すっげえ笠」を再利用して写真立てにできるなど環境や社会に対して循環を生み出していく部分がSustainableすなわち社会性という風に位置付けています。そして、それらすべてが重なる領域をSmile、笑顔をつくりだすお店という風に設定をしました。

「すべての商品において、事業性・独創性・社会性のバランスを考えてつくられているんですよね」と鈴木さん。
「すべての商品において、事業性・独創性・社会性のバランスを考えてつくられているんですよね」と鈴木さん。

Q10、今後の展望をお聞かせください!

矢野:フェリシモにはもともと女性向けの商品が多いので、年代や性別を超えてもっと気軽に買える商品をたくさん企画したいと思っています。どんな商品を企画していてももちろん楽しめるのですが、それでも、生活雑貨を企画しているときよりも、やはり自分もターゲットになるような商品だとすごく納得のいくものづくりができるという思いがあって。十数年にわたる商品企画の担当を経て、O2O事業グループに異動してきてからは、商品企画から手配、調達、店頭POPづくり、さらには書類仕事と、ありがたいことに、マルチタスクをこなしながら、ものづくりのすべてを体験できる環境にいます。年代や性別を超えたものづくりを実行するための知見も手段も揃っているので、どんな事業としてやっていけるのかを模索しているところです。そういう意味においても、今回の大阪・関西万博の出店はあらゆる人たちに向けた商品を展開することができ意義深く感じています。コミュニケーションや店内装飾を含めて、どんなものが求められているのかを見極めながら、誰にとってもおもしろい“フェリシモらしい”店舗へ育てていきたいですね。

今後の展望について話す鈴木さんと矢野さん

鈴木:僕は、フェリシモは企画会社だと思っています。そのなかでも、10年前に立ち上げたこのO2O事業グループは、ブランドの企画をするのとも、全社的な事業計画を立てるのとも違って、ある種、独立した企画集団だと言えます。それはまるで一つの会社のようであって、会社となれば、常に新しいことをやる必要があるし、チームとして発展していく必要もある。そのためには、超えていくべき障壁も多くてしんどいこともあるんですけど、現場でお客さまがよろこんでいる姿を見ると、この一瞬のために頑張ってきたなぁと思えるんです。だから僕たちは、チャンスを待つのではなくて、半歩でも一歩でも先にでて、次々と新しいことにチャレンジしながら成長していきたい。将来的に、お客さまが企画した商品を販売させていただく日がくるかもしれないし、想像もしなかった商品を取り扱っているかもしれない。ちなみに万博では、未来の店舗1号店として、今までにやったことのないことにどんどんチャレンジしてみたくて、前述の通りアイスクリームをお店に出してみたり、着物や羽織などの古着を並べてみたりしています。そういう風にのびのびとチャレンジできるのはフェリシモの強みだと思いますし、もっとおもしろいことやってみようというモチベーションは常に持ち続けたいですね。

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