
―フェリシモの商品・サービス企画の根底にあるサステナビリティ・ストーリー―
事業性、独創性、社会性が重なり合い生み出されるフェリシモならではの商品やサービス。この連載では「社会性」にフォーカスし、プロジェクト担当者たちの想いをお伝えしています。
フェリシモでは、日々の商品づくりや業務のなかで、環境や社会に配慮した取り組みを積み重ねています。今回、お話を聞いたファッション事業部では、スペアボタンをなくす取り組みなどの身近なことの改善から、素材選定の工夫、基金活動を通じた国内外への支援など、さまざまなかたちで活動を展開しています。その企画の多くは、現場の担当者一人ひとりの気づきや、プランナーチームでの対話をきっかけに生まれています。理想論にとどまらず、実行可能なかたちを探りながら進めてきた、フェリシモらしいサステナブルなものづくりの現在地を紹介します。
話し手:孫有美さん、吉田美帆子さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局
1. 完璧を目指すのではなく、できることから
フェリシモのファッション事業部では、「できることから無理なく続ける」ことを大切にしながら、サステナブルなものづくりに取り組んでいます。環境や社会への配慮は、一時的な取り組みではなく、日々の業務や商品企画の延長線上にあるもの。だからこそ、理想を掲げるだけではなく、現場で実行できるのかどうかを重視し、試行錯誤を重ねながら少しずつ改善を積み上げてきました。

素材選定や生産背景への配慮といった商品づくりの工夫に加え、基金活動を通じた社会貢献、業務フローの見直しなど、取り組みのかたちはさまざまです。その多くは、担当者一人ひとりが日々の仕事の中で感じた違和感や気づきから生まれています。
孫:「忙しい毎日のなかでも、何かできることはないか」「無理なく続けられる方法はないだろうか」と問い続ける日々です。
また、これらの取り組みは、特定の担当者や部署だけで完結するものではありません。チーム内のなにげない会話や個々の興味に沿った情報収集を通じて共有され、社内で共感した人たちがまた関わることで少しずつ取り組みが広がっていく。その積み重ねが、フェリシモらしい持続可能なアクションにつながっています。
完璧を目指すのではなく、できることから。フェリシモのファッション事業部では、お客さまの暮らしに寄り添う商品づくりと同じ目線で、環境や社会と向き合い続けています。
2. 小さくても、積み重ねることで大きなちからに

フェリシモでは、2024年より、洋服に付属していたスペアボタンをなくす取り組みを開始しました。この企画は、社会のサステナブルな取り組みについて、吉田さんが個人的に学ぶなかでひらめいたアイデアだったのだとか。
吉田:ある企業で、食品の個包装の設計を変えただけでプラスティックの使用量を大幅に削減したということを知り、フェリシモでも何かできないかと以前から考えていて。そういえば、スペアボタンってみんな使っているのかな?と疑問を持ったことから始まりました。
しかし、実施にあたり社内ではいろいろなデメリットも想定されました。一番の懸念点は、ボタンが取れてしまった際にお客さまにご迷惑がかかってしまわないかということ。
そこで、事前にお客さまアンケートをとることにしました。その結果、スペアボタンがなくても困らないと答えた方は6割もいらっしゃったことも後押しをして、まずは「イディット」と「リブ イン コンフォート」のベーシックなアイテムのボタンから実験的に導入していきました。

孫:大きなボタンやデザイン性の高いものではなく、シンプルな形のボタンを削減することからスタートしました。今のところスペアボタンがなくなったことで困ったというお客さまからのお声もなく、小さな改善でも積み重ねれば大きな環境配慮になることを実感しています。
結果として、約31万個のボタン削減(2025年12月現在)につながっています。その数は、500mlのペットボトルに換算すると、なんと14,360本分にものぼります。(社内調べ)
3. 商品を通して、世界の女性に寄り添う

ファッション事業部では、さまざまな基金活動にも積極的に取り組んでいます。2023年にスタートしたのが、「Her smile基金プロジェクト」です。世界のどこかで困難な状況にある女性たちのちからになりたいという思いから始まった本企画は、商品を購入するという日常的な行動を通じて世界のどこかの女性に寄り添うことができる仕組みです。
当初から、世界中の女性を取り巻く課題の解決を支援目的として、AMDAピースクリニックを通じ、インドにおける妊産婦支援や医療啓発活動に寄付を行ってきました。インドの貧困地域では、医師や助産師、医療設備が不足しており、十分な妊婦健診を受けられないまま、危険な状況で妊娠・出産を迎える女性や、生まれてくる赤ちゃんが少なくありません。


しかし、適切な医療や事前の健診があれば防ぐことができるはず。AMDAピースクリニックでは、こうした課題に対し、定期的な妊婦健診の実施、医療アクセスの改善、妊婦や家族への健康・栄養に関する啓発などを行いっています。Her smile基金は、こうした現地の実情に即した活動を支援するために使われています。
孫:年に一度は、現地とのオンラインでの交流も行われています。クリニックの様子を知ることで、私たちの支援が届いていることを身近に感じられる瞬間なんですよね。
4. 若い世代のこまりごとに寄り添うために
Her smile基金プロジェクトを進めるなかで、国内の女性にも支援の幅を広げていきたいとかねてから考えていたという孫さんと吉田さん。2025年秋からは、新たな基金先として生理の貧困問題に取り組む「NPO法人RED BOX JAPAN(以下、RED BOX JAPAN)」との連携を開始しました。
孫:Her smile基金プロジェクトは、今、flufeel(フラフィール)でインナーを中心に企画しているチームとも連携しながら取り組んでいます。そのなかで、女性が身につけるものや生活に関連するもののなかで貢献できないかと考えていたんです。

拠出先であるRED BOX JAPANは、全国の学校に生理用品を無償で提供し、誰もが安心して生理期間を過ごせる社会の実現を目指す、イギリス発祥の団体。日本国内では、特に教育現場に注力し、生理に対する不安や不自由を抱える子どもたちを支援。生理用品を整備した「レッドボックス」の設置をはじめ、生理に関する啓発活動のサポートや、授業・探究学習と連携した取り組みを積極的に展開しています。
Her smile基金プロジェクトでは、これまで300万円の寄付がなされていますが、海外支援に加え、国内の女性や若い世代にも目を向けることで、より身近で多くの人が関われる支援のかたちを模索し続けています。
吉田:今は、拠出先を増やすことももちろんですが、もっと拠出額を増やしたいという思いから、基金付きの商品を増やしていきたいと考えています。

【 後編に続きます 】

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