フェリシモCompany

みんなでプロジェクトを応援! 「紛争で居場所を失ったスーダン難民の児童に安全な暮らしと教育を」(認定NPO法人日本国際ボランティアセンター)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい7つの自立を支援するプロジェクト。
その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

 

こんにちは。日本国際ボランティアセンター、現地調整員の山本恭之です。私たちは、南スーダンにある難民キャンプで活動しています。

 

今も続く大規模紛争の影響

「スーダン」と聞くとどんなことをイメージするでしょうか?

2011年に南部が南スーダン共和国として独立する前はアフリカ最大の面積を誇っていた、アフリカの北東に位置する国です。資源の豊かさや民族の多様性などを有する一方で、長年にわたって国内紛争を抱える国でもあります。紛争の解決に向けて話し合いが続けられていますが、今も多くの人々が故郷に戻れることなく暮らしています。

私たちは2011年にスーダン・南コルドファン州で起きた大規模な紛争によって影響を受けた人々の支援を行なっています。

幾度にも繰り返された空爆や地上戦により、村々が焼け、数十万もの人々が故郷を追われることとなりました。その内、スーダンから国境を越えて南スーダンに命からがら逃れた7万人以上の難民の手によって、ひとつの難民キャンプが作られました。それがイーダ難民キャンプです。

草木を集めて家を建て、畑を耕し、人々が集う市場を作って、最低限の生活ができる環境を整えてきました。紛争の勃発から9年以上経ち、停戦合意は結ばれてはいますが、今もスーダンに戻ることは叶わず、国境からもっと離れたキャンプへの移住を進める国連が食料支援を縮小したこともあり、キャンプで暮らす難民たちは過酷な状況に置かれています。

 

難民キャンプで出会ったモザムール君とギスマラ君

「空爆でお父さんの手足が吹き飛んで、そのまま死んでいくのを目の前で見たんだ。」

そう話すのは難民キャンプ内の市場で暮らしていた子どもの1人、モザムール君です。母親は戦地となった故郷に1人残されていると言います。キャンプには頼れる家族や親族はおらず、市場で出会った友だちのギスマラ君とゴミ拾いの仕事をしても、稼げるのは一日200SSP(南スーダンポンド、70円程度)。身に纏う衣服もすべて拾ってきたもので、食事は市場で食べ残しを探し回り、どうしても見つからないときは、ゴミを漁って食べ物を探すという生活を送っていました。

 

earth2020_JVC_1.jpg

市場で出会ったモザムール君(写真左)と
ギスマラ君(写真右)は市場で一緒に過ごす仲間

 

紛争により「居場所」を失った子どもたち

紛争により保護者を失ったり、生き別れたりした子どもたちは、他の家族や受け入れてくれる親戚がいない場合、モザムール君やギスマラ君のように難民キャンプ内の市場や「ストリート」で生活することを余儀なくされています。故郷に帰る事も出来ず、頼れる大人もいない難民キャンプで、仕事や食べるものを毎日、自分の力だけで見つけなければならないのです。当然、学校に行くほどの余裕もありません。

そこで私たちは、こうした子どもたちが飢えに苦しむことなく、学校に通い、安全な「居場所」をもてるよう生活をサポートしています。学費や学用品、給食を提供して学校に通えるよう支援するだけでなく、週末や長期休暇に行う課外活動では、家庭菜園や栄養学習を通じてライフスキルを向上させたり、スポーツなどを通じて子どもらしく過ごせる場を提供します。

 

新型コロナウィルスの影響と対策

南スーダン政府のコロナウィルス対策により、難民キャンプの学校も休校を余儀なくされました。しかし、給食を頼りに生活している子どもたちのため、学校がない日でも定期的な給食の提供や食材の配布といった形で支援を継続します。また、感染対策として、手洗い指導や石鹸等の衛生用品の配布も行います。

 

<主な活動内容>

1.就学・復学のサポート

(1)難民キャンプの市場などで生活する非就学児童40名を選定し、受け入れ先の5校の小学校と連携して、就学を支援します。
(2)学用品、学費、衣服等を提供します。

2.生活改善のためのサポート

(1)定期的に給食を提供します。
(2)学校・生活スペースを団体スタッフが定期的に巡回し、普段の生活や学校生活についてモニタリングします。担当教員と密に連絡を取りながら、児童が抱える問題や悩みなどについて、カウンセリングを行います。

3.補習クラスと夏季クラス

(1)毎週土曜日に、通常クラスの復習を中心とした特別クラスを開講します。また、サッカーなどのスポーツに取り組む機会を提供します。
(2)夏季の長期休暇中に、家庭菜園や料理・絵画・音楽教室、レクリエーションなどを通じて、ライフスキルや創造力の向上を目指します。

4.衛生環境改善

(1)定期的な石鹸の配布とあわせて、手洗い指導を行います。
(2)生理用品などの衛生用品を支援します。

 

earth2020_JVC_2.jpg談笑しながら給食を食べる子どもたち

 

<期待される効果>

紛争により自分の家族や居場所を失い、拠り所のないままキャンプ内で過ごしていた子どもたちに「居場所」が生まれます。似た境遇や経験を共にする仲間に出会い、学校や課外活動を通じて、子どもらしく過ごせる機会が増えます。そして、給食支援や衛生環境の改善により、飢えや病気にかかりやすい生活から解放され、より安全な生活を送れるようになります。

また、子どもたちが安心して就学を継続できるよう、児童保護を担当する教員、受け入れ家族、団体スタッフが連携して見守りを行います。生活スペースや子どもの受け入れ家族を定期的に訪問して必要な話し合いを行い、学校生活だけではなく生活面の改善にも取り組みます。

紛争に巻き込まれ、物心つく頃から難民キャンプでの生活を余儀なくされている子どもたちが、子どもらしく過ごせる居場所と学ぶ機会を得ることは、本来誰もが持つべき権利であると同時に、健全な成長にとって、とても重要です。学校の勉強だけでなく、スポーツや絵画教室などの課外活動は、子どもたちがそれぞれに得意なことを見つける機会にもなります。学校に行き始めると、子どもたちの行動や表情が少しずつ変わっていくのがわかります。こうした子どもたち一人一人と向き合い、私たちは活動を続けています。

 

earth2020_JVC_3.jpg家庭訪問で児童の様子をモニタリング

■紛争で居場所を失ったスーダン難民の児童に安全な暮らしと教育を
実施場所:南スーダン共和国ユニティ州イーダ難民キャンプ
実施期間:2021年1月~2021年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間実績
・日本国際ボランティアセンターさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための7つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2020年11月2日から11月15日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。 

世界の人々の自立を応援する フェリシモ地球村の基金 ご参加はこちら>>

   ★Tポイントで1ポイントからの寄付、クレジットカードからの寄付もできる
    Yahoo!ネット募金「フェリシモ 地球村の基金」の募金ページは こちら>>>

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
LINE

コメント

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

コメントを投稿する
ページトップへ戻る