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2012年度基金活動報告 ー ガーナで児童労働をなくすための活動支援(認定NPO法人 ACE(エース)

2012年度に次の基金より拠出した認定NPO法人 ACE(エース)さまの活動レポートをご紹介します。

 

■スマイル・ガーナ プロジェクト

 フェリシモのLOVE&THANKS基金の支援を受けて、私たちがガーナで展開しているのが、子どもを危険な児童労働から守り、質の良い教育を受けられるようにする「スマイル・ガーナ プロジェクト」です。
 
 世界の児童労働は約1億6800万人(2012年時点、国際労働機関ILO発表)。貧困だけでなく、「学校に行く意味がない」「女子は教育を受けなくても良い」といった考えが、未就学児童を労働や貧困に追いやっている現状もあります。そうした子どもたちを支援しようと、ACEは1997年に大学生5人(当時)により設立されました。ガーナではカカオ生産地域の中部アシャンティ州アチュマ・ンプニュア郡にあるアナンス、パソロ、ウルベグの3つの村で支援活動を展開しています。

 まず児童労働が行われていないかを見回る住民グループ「子ども保護委員会(CCPC)」を組織し、見回りや家庭訪問などを行います。通学していない子どもを見つけた場合には、家庭訪問をして両親や保護者に教育の重要性や児童労働の問題などを伝え、子どもが学校に通えるようにします。2012年には79人の子どもたちが児童労働をやめて新たに就学しました。経済的な理由から学用品がない子どもへは、教科書やノート、制服、靴などの支給をしており、2012年には84人の子どもたちに学用品を支給しました。また仮に人身売買などの悪質なケースが見つかった場合は、地元の政府や警察と協力して人身売買の被害者を保護し、心理ケアを行って親元に帰しています。各家庭に戻った後も、継続的なフォローアップを行います。また、子どもたちによる「子ども権利クラブ」を設立。自分自身の権利の重要性や教育環境の改善について話し合い、自ら問題解決策を図ることを学んでいます。

 子どもだけでなく、家庭や地域での大人の訓練や学習、スキルアップを支援し、社会全体の問題解決に取り組める人材育成を図る活動にも取り組んでいます。児童労働の問題を抱える家庭は、零細なカカオ農家であることが多いのです。このため、栽培技術の向上などを目指して「ファーマー・ビジネス・スクール」と名付けたトレーニングを実施しています。カカオの木のせん定、肥料と農薬の制限、病害虫予防など、農園管理の方法を学んでもらいます。この結果、多くのカカオ農家が、収入をアップさせることができました。

 また、住民の相互扶助活動にも力を入れています。それまで銀行などがなく貯蓄の習慣がなかった地域に、「ボブラバ相互扶助グループ」と呼ばれる小規模貯蓄・融資の互助会制度を設けました。これによって住民が貯蓄の大切さ、有用性を知って貯蓄を始めたことで、それまでは不安定だった家計を貯蓄によって安定的に管理できるようになっています。貯蓄をもとにしてお金を借りることもできるようになり、子どもの進学や農作業労働者の雇用、そして児童労働の予防にも役立っています。

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