土と釉薬が
愛しあった果てに
Collection no.13

タイルを知るほどに
感情移入していく
古いおうちのお風呂や洗面台に萌える。清潔だけど多彩で、冷たいけれどあたたかい。なんて考えていくと分かってきた、そう、タイル。あの一面のタイルが”萌え“の理由かもしれないと。
タイルはコラージュのように小さなパーツが寄り集まって、ひとつの世界を成している。だけどぐっと目と心を引き寄せてみると、そこには異世界の魅惑が広がっていた。
まずは色。石よりも発色は美しくクリアだけど、蕩けるように乳がかっているのは、質感とも関係しているかもしれない。ぴかぴかよりも鈍く、つやつやよりもすべやかで湿度を感じるのは、硬さとも関係しているのかもしれない。石膏よりも硬く、ダイヤモンドよりも脆く繊細なのは、温度とも関係しているかもしれない……着々と掘れば掘るほど、魅惑の理由が分からなくなってくるものの、それでもひとつの決定事項は、タイルは「個」としての、ほかにない光を放っているってこと。まさしく、人と同じく。

タイルは、およそ10の工程を経てこの世に生まれる。原料は土。おもに顆粒状のそれをプレス機で、何百トンもの圧力をかけて成形する。
釉薬をかけ、乾燥させたらいよいよ窯へ。トロッコのような台車に乗って、ごうごうと炎の燃えさかるトンネルの中を進み、土と釉薬が愛するように溶けあって、冷えて定まりタイルとなる。土と釉薬、どちらも自然の産物だから、一枚一枚に思いもよらない仕上がりをみることがある。素の相性、その深さ厚さ濃さ、天気や気温、火力や速度まで。誰のコントロールももはや及ばないところで、タイルの「個」が、祝福されるようにできていく。
そんなふうに知れば知るほど、どんどん感情移入していく。だからこそ、今回はタイルだけのコレクション。作っているのは岐阜県の東濃地方。タイル産地のメッカとしても知られるけれど、その根底には1300年を超える焼き物「美濃焼」の伝統と技が、しっかりと息づいている。
その存在感の正体が、ようやく分かった。

タイルは四角、多角形や円形、花形、しずく形などさまざま。色あせしにくく、美しさが長く保たれる。アクセやコースターにアレンジするのもおすすめ。
深掘天国
日本のタイルが
生まれた「もと」
タイルは古代エジプト時代より数千年の時を経て世界中に広がり、日本で使われ始めたのは明治時代。外国人建築家が西洋建築に用いたのは当初輸入ものだったが、美濃焼の陶工たちが培った技を駆使しタイル作りに挑んだことで、一枚一枚に異なる風合いを持つ、日本独自のタイル表現が生まれた。
釉薬のプロたちのもとタイルは作られています。


お届けについて
毎月1回、12種類の中から、1種類ずつお届けします。
※1回のお届けセット例です。

シンプルなパッケージ入りで、
贈りものにもおすすめ。

Collection
Mino-yaki Collection

■セット内容/タイル(10 ~13 個)、箱、情報カード
■素材/タイル:BI類(磁器質)施釉 箱:紙
■サイズ/縦約9.5cm、横約9.5cm、高さ約1cm
●毎月1回、12種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)
(日本製)
All Muchu Collection

※表示価格はすべて税込み
