《サラディーノ》~フランス・リヨン~
フランスのリヨンは美食の町として世界的に有名です。私はもうリヨンには世界に進出していないローカルチョコはないと思ってました。そのくらいリヨンは有名店の宝庫なのです。しかし、層の厚さが半端じゃないんでしょう。

まだ、日本に紹介されていないショコラティエがあったなんて……サラディーノさんといいます。ジェントルマンで男前です。「下まつげが私の上のまつげくらいある」となぜか取材メモに書いていました。私は男前を前にするとよく舞い上がったメモを書くようです。

サラディーノさんははっきり言ってオタクです。ストイックな仕事オタク。
「私にとってチョコは人生のすべてです」とおっしゃってました。実は彼は日本の有名な製菓専門学校のリヨン校の先生をしています。彼のお弟子さんも日本で活躍しているとか。
そんなサラディーノさんがフェリシモのために特別なレシピで日本に紹介するスペシャルを作って待ていてくれました。

表紙に「felissimo Japon」と書いてあるノートを見つけました。ありがたい……彼は日本が大好きなんだそうです。
実は日本のみなさまに彼のチョコを食べてもらうことが目標だった、と言ってくれました。その機会が今回です。

私はこのプラリンビスケットのでき立てを食べて、とんでもないことをメモに残しています。
「今まで食べたものの中で一番うまい」。
確かにできたてでおいしかったけど。 この素人丸出しの取材ノートを見て、どれほど自分がびっくりしたか。バイヤー歴20年ですが、そんな今までのキャリアをかなぐり捨てるようなことを思ってしまうほど、衝撃だったのです。一緒に行っていたスタッフも大絶賛。

もちろんさくさくビスケットなんですが、ホワイトチョコが最高にミルキーなのです。そして、この赤いプラリンこそが、リヨンの象徴です。それも、しっかりとアピールしながら日本人がもっとも理想に思うやさしい味とバランスを表現しきったのです。
やられました。泣ける。
こういう素晴らしい作り手の努力やソウルをスウィーツから感じることが、なによりしあわせです。
今回、彼の日本に向けた渾身のプラリンビスケットをご紹介できてほんとうにこの仕事をやってきてよかったです。ぜひ、ご自身で味わってみてください。
〈サラディーノ プラリンビスケット〉



